保育園へクレームする?他の人がホントに入れてた苦情8件を現役保育士が紹介
共働きの現役保育士です。
様々な理由で保育園に苦情を申し立てたいと思っている方もいるでしょう。
一方、社会福祉法第82条の趣旨に則って、保育園には苦情解決というしくみがあることはあまり知られていません。
今回は実際に寄せられた苦情とその結果を示した苦情解決一覧表から、保育園へのクレームの例を紹介していきます。
苦情解決一覧表とは
社会福祉法第82条及び設備運営基準には、保育園利用者からの苦情の解決について明記されています。
「書面での記録を残す」とされているとおり、社会福祉法第82条や設備運営基準の趣旨に則って運営されている保育所であれば、「苦情解決一覧表」なる資料が書面または保育所のWebサイトなどで公開されているはずなのです。
本当にあった保育園への苦情の例
発熱したが通院をすすめられた
仕事の都合上、多少具合が悪くても保育園に登園させたいのは理解できます。
ただ、保育園は集団生活の場であるため、本人がよくても他の園児へ感染する可能性は捨てきれません。
また、解熱後24時間後からでないと登園できないルールになっている保育園も多いです。
このため、前日に発熱があったのに大歓迎で受け入れというのも保育士としてはしにくいものです。
時間の短縮や通院のおすすめをするのは妥当な気もしますねえ。
電話に出るのが遅い
この苦情を受け、この保育園では日替わりで電話係を決め、担当者は子機を携帯することにしたようです。
すなわち、元々、電話対応含め事務所で事務作業にあたれる人員を確保できず、電話が鳴ったら保育室にいる保育士が、保育を投げ出して対応していただろうことが伺えます。
電話係が子機を携帯したからといって、保育を投げ出して電話対応していることにはかわりありません。
子どもの安全よりも電話を早く取ることを優先しなくてはならないこの保育園の保育士に同情を禁じえません。
ちなみに、他の保育園でも、給食・おやつ中と降園対応が立て込む夕方は、電話を取っている場合ではないのが正直なところではないでしょうか。
急用でなければ、電話する時間帯を考慮すると保育園の先生たちに喜ばれます。
参考記事
保育園でひっかかれた
本件の場合は、担任がお友達と喧嘩になった様子を確認していたものの、申し送りが漏れたために伝達されなかったとのことです。
平均して7時から20時まで開所している保育園という場では早番と遅番とが必要となるため、担任が早番の場合は遅番の保育士へ細かく申し送りをする必要が出てきます。
あるべきことではないですが、この職員の入れ替わりで伝達が漏れてしまうことはゼロではないのが現状です。
着替えが男女同室なのが嫌だ
水遊び時の着替えをどうするかは非常に難しい問題です。
男女別室にすると保育士がもう一人必要になるなどの理由により、実現が難しいのが現状という保育園も多いでしょう。
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保護者が1人しか観覧できないのが嫌(コロナ禍)
こちらは、コロナ禍における発表会についてのコメントです。
コロナ禍においては、細心の注意を払いながら保護者のために発表会をなんとか開催した保育園ばかりでした。
観覧人数無制限で開催していたら、逆に「コロナ禍なのに人数制限もしないなんて無頓着すぎ」という苦情が来ていてもおかしくありません。
保育士としては「これがクレームとして挙げられてしまうとは・・」と腑に落ちない苦情です。
他の保護者の交通ルールを指導して欲しい
保護者が来園時のルールを守っていないという苦情です。
保育士の仕事は子どもの保育。
大人が交通ルールを守れているかまで管理しきれないというのが保育園側の本音ではないでしょうか。
他の保護者のおしゃべりを注意して欲しい
お迎えの際、駐車場や門の前で保護者同士がおしゃべりに夢中になっている間、子どもが走り回って危ないと思うこと筆者自身もよくあります。
保育園あるあるのひとつではないでしょうか。
かといって、大人である保護者に向かって「危ないですから早く帰ってください」とは言いにくいです。
ヒートテックは駄目と言われ風邪をひいた
「着てはいけない」という発言が本当なら言葉を選ぶ必要があったように思います。
ただ、風邪をひいたのはヒートテックを着なかったせいというのは、乱暴な気もしますね。
クレーム以降、このお家の子どもは保育士が「今日はきっと暑いと感じているはず」と思っても、ヒートテックを脱がせることは躊躇してできなくなったはずです。
またクレームになっても困りますからね。
まとめ
今回は実際に寄せられた苦情とその結果を示した苦情解決一覧表から、保育園へのクレームの例を紹介してきました。
保護者と保育園が信頼関係を結び、クレームとして挙げられる前に妥協点を見つけられることを心から願っています。
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