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「歌ネタ王」元祖・嘉門達夫が放つ存在感

中西正男芸能記者
「歌ネタ」では元祖的存在の嘉門達夫

リズムに乗せた歌ネタで面白さを競う新たなお笑いバトル「歌ネタ王決定戦2013」の決勝(5月18日、大阪・MBSテレビで生中継)に進出する10組が27日、発表された。

約1200組の中から勝ち残ったのは、当日の出番順に「2700」(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)、「アイロンヘッド」(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)、「どぶろっく」(浅井企画)、キンタロー。(松竹芸能)、「すち子&真也」(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)、「阿佐ヶ谷姉妹」(ASH&D)、「ななめ45°」(ホリプロコム)、矢野号(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)、嘉門達夫(さくら咲く)、マキタスポーツ(オフィス北野)。

個性豊かなメンバーの中でも異彩を放つのが、歌ネタの元祖とも言える嘉門だ。

まさに“大師匠”の域!

芸歴2年目のキンタロー。を筆頭に、ほとんどがキャリア10年未満の若手。その中で、嘉門の芸歴は30年を数え、7月21日には、大阪・万博記念公園で明石家さんまらを迎えて30周年記念イベントも開催する。さらに、大阪府立春日丘高等学校在学中に、16歳で笑福亭鶴光に弟子入りした落語家時代を含めると、キャリアは38年。もはや大師匠の域に入る。

決勝進出者発表会見にはスケジュールの都合で出席できなかったものの、「嘉門さんみたいなレジェンドが出てくるとは思わなかった」(マキタスポーツ)、「『R-1ぐらんぷり』に笑福亭仁鶴師匠が出てくるようなもの」(決勝当日の司会を務める小籔千豊)などの発言が相次ぎ、本人不在でもしっかりと存在感を示していた。

嘉門によると、これまで制作した曲は「1万曲以上」。『鼻から牛乳』、『ゆけ!ゆけ!川口浩!!』などのヒット曲で一世を風靡し、一昨年からはテレビ東京系の子供向け番組「ピラメキーノ」で『アホが見るブタのケツ・2』(1986年発売)が再ブレークし、ファン層を拡大している。

自分も出なアカンのかな…

道なき道を切り開き、長らくオンリーワンの存在として活動をしてきたが、近年は後に続く者が多数出てくるようになった。

嘉門いわく、「大会の開催決定を報じるスポーツ紙の記事の中に『歌ネタということで、嘉門達夫らの参戦も考えられる』みたいなことが書いてあって、『ほな、自分も出ないとアカンのかな…』と思って(笑)。でも、これだけ大きな規模で競い合えるジャンルになったんやと思うと、何とも感慨深いですね」

漫才の腕を競う「M-1グランプリ」、ピン芸人No.1決定戦「R-1ぐらんぷり」などに比べると、「歌ネタ王…」はルールの幅が広いのが特徴。嘉門のように全編メロディーに乗せた純粋な歌ネタのみならず、漫才やコントの中に一部歌ネタが入っているものでもOK。出場者によって、ネタの内容がガラリと変わる。

ある意味、何でもアリの戦いとも言えるが、自らが作り上げてきた土俵でパイオニアがどんな戦いを見せるのか、大いに注目される。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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