「この人から買いたい」選ばれる営業の訪問時のビジネスマナー
営業として相手の会社を訪問する場合、どんなことに気をつけているでしょうか。あなたの振る舞いは万全でしょうか。
訪問は何らかの目的を持って行うものですが、相手にとっては「今後この人と取引をしていきたいか」を見極める場でもあります。訪問の場で信頼を勝ち得るかどうかは、あなたの振る舞いにかかっています。
たとえ商品や資料が素晴らしくても、説明が上手くできても、お付き合いのスタートは「人」が信頼されるかどうかによります。そこで、今回は、営業として不可欠な、訪問時のビジネスマナーについてお伝えします。
事前準備は抜かりなく
訪問時のマナーとはお伝えしましたが、訪問の成否は事前の準備が左右します。「準備8割」と言っても過言ではないでしょう。
せっかく相手の貴重な時間を割いてもらうのにも関わらず、「何しに来たの?」と思われるようでは商談の成功は難しいでしょう。まずは入念な事前準備を行うことが大切です。
押さえておきたい事前の準備は以下の通りです。
●相手の会社についてホームページなどで調べ、「設立年・従業員数・事業内容・拠点数」などを頭に入れておく
●ホームページでは読み取れない、提案において必要な「悩み・必要な時期・予算」などの情報を訪問時にヒアリングできるようメモしておく
●必要な「資料・名刺」は相手の想定人数よりも多く用意しておく
●「お客様の課題は〇〇にあると思われるので、自分の商品導入で△△となります」など、相手のメリットを想定し、提案の仮説を立てる
通常は10分前、契約時は30分前に到着する
さて、準備をした上で、いよいよ訪問に向かいます。
ここで最も気をつけなければならない点は、「遅刻」です。
遅刻をした時点で、相手の心象は下がり、契約に至る確率はかなり低くなると言えるでしょう。「車の渋滞」などやむにやまれぬ事情があったとしても、相手は時間を空けて待っていてくれるのですから、遅刻は相手の時間を奪う行為です。契約時など、ここぞという重要な訪問の際には、約束の30分前に着いてイメージトレーニングをするくらいでちょうどいいでしょう。
●普段の訪問時は「10分前に到着して身だしなみを整え、5分前に入る」
●契約時は、「30分前に到着してイメージトレーニングをし、5分前に入る」
●約束の時間に遅れそうな時は、わかった時点ですぐ相手に電話をする
受付から気を抜かない
さあ、相手の会社に到着しました。
まずは受付に向かいますが、ここでは「会社の代表」として見られているという自覚を持ち、印象の良い対応を心がけましょう。
●コートやマフラーは建物に入る前に脱いでおく
●携帯電話はマナーモードにしておく
●受付では、「お世話になります。〇〇会社の△△と申します。15時に総務部の××様とお約束で参りました」と用件を明確に伝える
●受付で待っている間も、携帯電話の操作や、2人以上の場合も雑談は控える
廊下の移動も感じ良く
次に、応接室に案内される時に気をつけることです。
廊下を移動する際は、顔を上げ、背筋を伸ばしてキビキビと歩きます。応接室に着いて、席に座る際も落ち着いた態度を心がけましょう。
●廊下で、訪問先の社内の人とすれ違ったら、軽く会釈や挨拶をする
●応接室に入る時は一旦立ち止まり、「失礼いたします」と言って会釈をして入室する
●指示された席に座って待つ。指示がない場合は下座(出入口の近く)に座って待つ
●カバンは自分の足元に置く。コートは小さくたたみ、カバンの上に置く
いよいよ担当者と商談に臨む
応接室に、相手の担当者が姿を見せました。
初対面の場合は、最初に名刺交換があります。すぐに名刺を持って席を立ち、挨拶をします。名刺交換が終わったら、席について商談を始めましょう。
●「本日はお忙しいところ、お時間をいただき、ありがとうございます」と挨拶をする
●出されたお茶は、相手から「どうぞ」と言われてから飲む
●もらった名刺は、机の上に置いた名刺入れの上に置く
最後まで印象の良い営業になろう
商談が終わっても、気を抜いてはいけません。去り際の印象は、大きく相手の心に残ります。笑顔で感謝の言葉を述べて、良い印象を残しましょう。
●「本日は貴重な時間をいただき、ありがとうございました」と感謝を述べる
●最後は「今後ともよろしくお願いいたします。失礼いたします」と言ってお辞儀をする
●エレベーターまでお見送りをされたら、ドアが完全に締まりきるまでお辞儀をする
●玄関口までお見送りをされたら、玄関から出た後、振り向いて一礼をする
●建物の外に出た後で、コートやマフラーを着ける
●必要があれば、同日のうちにお礼のメールや手紙を送る
まとめ
ビジネスマナーは、相手に対する「思いやりの心の在り方」を表したものです。訪問とは、相手の時間をいただくものですから、こちらとしても最大限の思いやりや心配りを表したいところです。形だけにこだわることなく、思いやりを示しましょう。
研修トレーナー太田 章代
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