本当は怖い適応障害になりやすい人の5つの「共通点」とは!?
こんにちは、精神科医しょうです。
普段、精神科外来でこんなことを患者さんから聞かれることがあります。
「適応障害はどんな人がなりやすいのですか?」
適応障害になりかけている方やなってしまっている方にとって自分自身がなりやすいかどうかは心配になるところですよね…。
適応障害とは、ある特定の出来事に対して耐えがたい苦しみを感じ、それを原因として行動や精神面に不調などの症状が現れる病気です。
憂うつな気分が続いたり過剰に心配しすぎて行動面に影響が出るなど、日常生活を送る上で支障が出る場合があります。
大抵の場合、強いストレスやトラウマによって引き起こされることが多いのが特徴です。
しかし、同じ環境に身を置いたとしても適応障害になる人とならない人がいます。
適応障害になりやすい人の特徴には、どのようなものがあるのでしょうかについてお話していきます。
今回の記事では、適応障害になりやすい人の特徴について分かりやすく紹介していきます。
当てはまる特徴があるかどうか、ぜひチェックしてみてくださいね。
適応障害になりやすい人の特徴
几帳面で完璧主義、頼まれると断れない人
堅実で几帳面、完璧主義、頼まれると断れない性格の人は、適応障害になりやすい人の特徴を持っています。
たとえば、Aさんが職場の配置転換などで本来やりたくない仕事に割り当てられたとしましょう。
Aさんは断ることができないので配置転換を受け入れ、完璧主義な性格も相まって頑張って仕事をこなそうとします。
しかし、本来やりたくない仕事なのでなかなか意欲が湧かず、ストレスを抱えたまま騙し騙し仕事をすることになります。
職務を遂行することに忠実なあまり、自分の感情を押し殺して我慢してしまうのです。
そのような状態が続けば心身に不調が現れ、やがて適応障害を発症するかもしれません。
ストレス耐性が低く、感情をコントロールできない人
元々ストレス耐性が低い人は、ちょっとしたことにもストレスを感じて気分が落ち込んでしまうので適応障害になりやすいと言えます。
上司から注意されたことに対していつまでも気に病んだり、他人からの言葉をマイナスに受け止めて引きずってしまう人は注意が必要です。
また、感情のコントロールがうまくできない人も適応障害になりやすい傾向があります。
このタイプの人は、特に理由もなく気分が落ち込んだり悲しくなったりしたかと思えば、時には社交的で快活になるなどの循環気質を持っています。
このような気質を持っている人は、自分でうまく感情をコントロールできないのでストレスを溜め込みやすく適応障害になりやすい可能性があります。
せっかちで感情的になりやすい人
せっかちで感情的になりやすい人は感情の浮き沈みが激しいため、周囲に敵を作りやすい傾向があります。
せっかち、怒りっぽい、競争心が強く積極的というのは、社会的な成功を得やすく活発に見えますが人間関係のトラブルを抱えがちです。
積極的で怒りっぽいのは「強さ」が原動力になっているのではなく、心にバリアを張って自尊心が傷つかないようにするための自己防衛であることがほとんどです。
幼少期に褒めてもらうことが少なかった、適切な評価を受けられなかった、信頼できる人間関係を構築した経験がないといった人に多い傾向があります。
攻撃性や積極性を見せることで心に鎧を身につけていますが、自己評価が低く満たされることが少ないため、最終的には疲れ果てて適応障害を発症してしまうのです。
失敗を恐れて嫌な場面から逃げてしまう人
失敗を恐れて嫌な場面から逃げ出してしまう人は、一見ストレスから抜け出すのがうまいように感じますが、根本的な問題を解決することができずに似たような状況を繰り返してしまいます。
たとえば、職場で苦手な上司がいて会社を辞めた場合、転職先でもまた似たような状況に出くわして短期離職を繰り返してしまう可能性が非常に高いです。
うまく対応する術が身に付かないため、同じ場面に遭遇したときに「逃げる」という選択肢をとってしまいます。
転職活動が長期化して心身が疲弊し、また一から新しい環境に身を置くことにストレスを感じて適応障害を発症するケースがあります。
やりたいことがなく物事に対しての意欲が元から低い人
夢や目標など「やりたいことがない」人は、興味のない仕事をやることに心を病んでしまい適応障害になりやすい傾向があります。
特にやりたいことも明確な目標もなくそのまま社会に出ることになり、何となくイメージの良さそうな会社に入社したというパターンで、実際仕事をしてみると「本当にこれが自分のやりたいことなのか」と苦悩してしまいます。
会社の理念や価値観が合わずに、不満を感じることもあるでしょう。
しかし、やりたいことが見つからないために、なかなか会社を辞めることができず、次第にストレスが溜まって適応障害という形で発症する可能性があります。
適応障害ってどんな病気?
適応障害とは、環境や変化に適応できずストレスを受け続けた結果、身体や心に不調が現れる病気です。
ストレスやトラウマがきっかけになって、適応障害を発症するケースが多く見受けられます。
適応障害は外部要因、内部要因、時間要因という三大ストレス反応が関係しています。
外部要因は、職場での関係がうまくいかない、上司との関係が悪化した、パワハラやセクハラを受けているなどといった要因が挙げられます。
外部要因は環境や外から受けるストレスが原因になっているのに対して、内部要因は自分自身の性格が原因になることが多いです。
たとえば、傷つきやすくて繊細、カッとなりやすい、コミュニケーションが苦手、物事に対する興味を持つことができないなどといった性格からくるものが挙げられます。
そして、時間要因はストレスを受けたことによって現れる疲弊期の症状を指します。
症状は抑うつ気分、焦燥感、不安、不眠、腹痛、便秘、下痢など多岐に渡ります。
適応障害は特定の出来事によるストレスが原因で発症するので、原因を特定して環境を変えることで症状が緩和していくのが特徴です。
適応障害の診断方法は?
落ち込んだ気分や抑うつ状態が続いて自分でもおかしいと感じたら、心療内科や精神科を受診するようにしてください。
診断方法については、ストレスとなった出来事や症状、本人の性格など複数の視点から慎重に診断を行います。
正常な社会生活を送れないほどの症状が続く場合は、適応障害の恐れがあるためなるべく早めに受診するようにしましょう。
また、適応障害はうつ病と症状が非常によく似ているので、「うつ病かもしれない」と思う人もいるようです。
しかし、うつ病はストレスになっている元から離れたとしても症状が続くのに対し、適応障害はストレスの元から離れると症状が緩和されるという大きな違いがあります。
職場内で大きなストレスを抱えていて抑うつ状態の人が、プライベートでは嘘のように明るく過ごせるといったケースがあり、その場合は適応障害の可能性があるでしょう。
適応障害と仕事の関係
世界保健機関(WHO)の世界精神保健日本調査によると、働く人の中で最も頻度が高い精神疾患はうつ病だという結果が出ています。
適応障害は統計上、このうつ病の中に含まれています。
近年、さまざまな世界情勢や仕事の多様化によって適応障害が増加傾向にあります。
仕事量の多さや作業内容の難しさ、スキル不足、同僚や上司とうまくいかない、パワハラを受けるなどといった環境やスキルの問題から人間関係まで、幅広い内容のストレスが私たちに降りかかっています。
「何のために働くのかわからない」「働きたくない」という考えを持った人もいるでしょう。
そうした中で、生活のために合わない環境で無理をして働き、適応障害を発症するというケースは少なくありません。
まとめ
適応障害とは簡単に言うと、ストレス反応からくる誰にでも起こりうる心身の状態です。
それまで普通に暮らしていても、ある出来事をきっかけとして症状が発症する可能性があります。
ストレスの原因から離れることができれば症状は改善しますが、決して症状を軽んじないようにしてください。
長期化すると症状が悪化して、神経症やうつ病といった他の精神疾患に移行することがあるので注意が必要です。
「適応障害になりやすい人の特徴」に当てはまるものがあれば、一度自分の症状に目を向けてみましょう。
そして、なかなか改善が見られないときは早めに心療内科や精神科に相談してみてくださいね。
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