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うつ病や適応障害になった時「どう考えれば」良いのか?【アセスメント方法について】

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

HSPさんは、その気質ゆえに考え過ぎてしまったり、些細なことに傷ついたり、相手の些細なしぐさや目線、行動などから機嫌が分かってしまうことがあります。

「こんな伝え方をしたら、嫌な気持ちにならないかな?」

「返信がないということは、嫌われているのかな?」

「今の行動は、怒っているということかな?」

様々なことが頭に浮かんでしまいます。

それゆえ、学校や職場という「集団」「組織」に所属する場合、HSP気質ゆえの気苦労も多いかと思います。

全員が全員、HSPさんのように、相手の気持ちを察することが得意だったり、相手に気を遣うことが当たり前というわけではないですからね。。

時には意図的に相手を傷つけてくる人もいますし、相手を傷つけていることに無自覚な人もいます。

そういった様々な人がいる集団や組織でHSPさんが過ごす場合、上手くストレスを発散したり、上手に人と付き合うことや、極端な考え方にならないようなスキルや知識を取得しないと、時にうつ病や適応障害などになってしまうことがあります。

どうしても人よりも色々考え過ぎて、脳のエネルギーも人の何倍も使っているでしょうから、そういう風になってしまっても仕方がありません。

脳にエネルギーが無くなり、活力を生み出したり、元気でいるための神経伝達物質の分泌や調整ができなくなると、憂鬱な気分になってしまいますからね。

では、うつ病や適応障害などになってしまった時、どうすれば良いのか?

憂うつな気分や、つらい気持ちを少しでも改善するためには、何をすれば良いのか?

それを今回のテーマにしていきましょう。

うつ病や適応障害になったときどうすれば良いのか?

「休養」「環境調整」「薬物治療」「精神療法」などあるかと思いますが、今回は、「アセスメント」という視点でお伝えしていきます。

「アセスメント」とは、人や物事を客観的に評価・分析することを言います。

要は、状況を正しく評価・分析することで、適切な対応を取ろうということです。

このアセスメントを“自分自身に対して”行ってみましょう。

例)朝からからだが重く、頭痛がする時の流れ

①感覚

→からだが重く、頭痛がする

②認知

→「なぜいつもこんなにつらいのだろう・・・」

③感情

→自己嫌悪、憂鬱になる

④感覚

→余計からだが重く、頭痛がひどくなる

⑤行動

→頭痛止めの薬を服用する

⑥薬物、生物学的要素

→薬が効いてくる

⑦感覚

→頭痛が少し楽になる

⑧感情

→自己嫌悪、憂鬱な気分が少し楽になる

大まかにではありますが、朝からからだが重く頭痛がする時の流れの1つとして、このようなものがあるかと思います。

では、このような流れが分かったら、次は何をすれば良いか?

こうしてみましょう。

例)朝からからだが重く、頭痛がする

①感覚

→からだが重く、頭痛がする

②行動

→頭痛止めの薬を服用する

③薬物、生物学的要素

→薬が効いてくる

④感覚

→頭痛が少し楽になる

⑤感情

→自己嫌悪、憂鬱な気分が少し楽になる

最初、自分自身をアセスメントした時は、⑧まで流れがありました。

しかし、そこから対策を打ったことで、その流れが⑤まで減りました。

最終的な「自己嫌悪、憂鬱な気分が少し楽になる」までが、早くなったわけです。

一体何が違うのかを少し詳しく見ていきましょう。

①感覚・・・からだが重く、頭痛がする、ここまでは一緒です。

しかし、次の②が違います。

何も対策を打っていない時は、②認知・・・「なぜいつもこんなにつらいのだろう・・・」、③感情・・・自己嫌悪、憂鬱になる、④感覚・・・余計からだが重く、頭痛がひどくなる。

こういった流れを踏んでから、⑤行動・・・頭痛止めの薬を服用していました。

しかし、対策後は、①感覚・・・からだが重く、頭痛がした時点で、②行動・・・頭痛止めの薬を服用することを選んだわけです。

ゆえに、「なぜいつもこんなにつらいのだろう・・・」と感じ、自己嫌悪、憂鬱になり、余計からだが重く、頭痛がひどくなることを避けることができたということです。

①感覚・・・からだが重く、頭痛がするというトリガー(引き金)があったら、恐らくその後どんなことが頭に浮かび、どんな感情になるか、ある程度の経験則からも分かるかと思います。

うつ病や適応障害などは、すぐに良くなるというものでもありませんから、皆さんの中の感覚、直感と言うのがきっとあるはずなんですね。

「この頭痛がすれば、この後どうなるか?」

「この時間帯は、恐らくこうなるだろう」

きっと感じるものがあるはずです。

その直感も大切にしつつ、今回お伝えした“自分自身の”アセスメントも行ってみる。

そうすると、より客観的に正しく自分自身のことを把握することができ、すかさず憂鬱な気分やつらい気持ちを改善するための行動を取ることができるのではないでしょうか。

こうやって自分自身を正しく評価・分析してみてくださいね。

「どんな行動を取れば、今の状況を少しでも早く改善することができるのか?」必ず見えてくるものがありますよ!

まとめ

うつ病や適応障害などがつらい時どうすれば良いのか?それは“自分自身を”アセスメントしてみましょう。

頭痛がする時、つらい気持ちの時、どんな流れなのか?

普段どんな対処法を取っているのか?

細かく評価・分析してみてください。

その流れを追ってみると、少しでも早く改善するために大切なことが見えてくるはずです。

ただし、無理のない範囲で行ってくださいね。無理は禁物です。焦らず、少しずつ前に進んでいきましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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