知らないと怖い笑顔うつの「初期症状」とは!?自分を守るための方法も解説。
こんにちは、精神科医しょうです。
内面的にはうつ病になっていても、表面的には深刻さが見られず、人当たりも良いといった特徴があるものに「笑顔うつ(スマイリング・デプレッション)」があります。
笑顔うつは正式病名ではありませんが、外見的にはほほ笑むことができ、対人関係をそつなくこなすことができます。しかし、内心では抑うつ症状を抱え、心理的な苦痛を持っていると言えます。
つまり、体はなんとか動けるけれども、心はつらくて仕方がないのに、誰にも理解してもらえないことで葛藤を抱えているといった心理状態だと言えるでしょう。
笑顔うつは体が動くことから、どちらかと言うと軽症のうつ病だとされていますが、必ずしも状態が軽いという訳でもないため、注意が必要です。
そこで今回は笑顔うつに共通する症状と無理をしがちな自分をセーブする方法について考えてみたいと思います。
笑顔うつになるとまずはどんな症状が表れる?
笑顔うつを発症すると、うつ病と同様に身体面での不調から始まるケースが多いと言えます。
一般的にうつ病は、ある日突然、激しい症状が出る病ではありません。
「体がだるい」「疲れがなかなか取れない」「食欲がない」「朝早く目が覚めてよく眠れない」など、日常的な体の不調から始まるケースが多いものです。
なかには「何をしていても楽しくない」「興味がわかない」「集中できない」「何もする気になれない」など精神的な面において違和感を自覚する方もいますが、気づかないことも多々あります。
特に初めてうつ病になった人は精神的な症状にはなかなか気づきにくく、「これくらいのことで…」と考えてしまいがちです。
笑顔うつの場合においても、つらい気持ちはあるものの行動することができ、社交的な場面では笑顔で対応できるため、まさか自分がうつ病を発症しているとは考えにくく治療が遅れてしまうといったこともあります。
では、笑顔うつを疑った時に、どのような症状に気を付けたら良いのでしょうか?
・気分の低下
2週間以上にわたり、常に気分の落ち込みが続いている時は精神的な病を疑った方が良いかもしれません。
・疲労感
十分な睡眠や休息を心がけているにも関わらず、慢性的な疲労が続いている場合は要注意です。
・無価値観
自分に対する評価の低下や自己肯定感の低下、生きる価値が見いだせないなど、自分に対して否定的な考えを抱くようになった場合は、経過にも気を付けましょう。
・食欲の変化
食欲不振や過食が見られた時は、心身にストレスがかかっている状態だと言えます。
・睡眠
不眠や過眠の症状が表れた時は注意が必要です。
一般的なうつ病は寝つきが悪く、明け方前に目が覚め眠れないといった症状が出ることもあります。
・孤独を感じる
「誰にも理解してもらえない」と孤独を感じ、一人になると悲しさで涙が溢れてくる…といった症状が表れます。
上記にあげた症状が、時間の経過とともに軽くなるようであれば、問題はありませんが、うつ病の場合は何日間も症状が続くのが特徴です。
ただし、これらの症状は笑顔うつ以外の病気にも表れることがあります。
症状が当てはまるからと言って「笑顔うつだ」と早合点せず、しばらく様子を見て、症状が続くような場合は、早めに診察を受けるようにしましょう。
性格的に無理をしがちな自分をセーブする方法とは?
笑顔うつを患いやすい人は、うつ病と同様に常に完璧を目指す、生真面目で責任感が強いなどの性格傾向があります。
しかし、これらの性格は場合によっては自分だけではなく他人にもプレッシャーを与えることになってしまいかねません。
思ったように物事が進まなければ、自己嫌悪に陥ったり、自分を恥ずかしい存在だと思ったり、罪悪感を抱いたりしてしまい、気分を落ち込ませてしまいます。
そのような自分の性格傾向を認識し、限界に気づくことで仕事や対人関係などストレスを感じることに対してセーブするようにしてみましょう。
・自分を守るために仕事をセーブする
「もっとできる」「あれも、これもやらなければならない」と突っ走るのではなく、「自分はここまでしかやれない」と一線を引いたり、「今日はここまで」と仕事を順序だてたりして無理なくこなす習慣を身につけることが大切です。
また、必要以上に責任感にとらわれず、他の人に任せられる仕事は任せても良いのだと、気持ちをラクに持つことも必要です。
・人間関係のことで必要以上に悩まない
身近な人との関係を大切にする一方で、あまり親交の無い人との関係を気にし過ぎないことも大切です。
対人関係でイヤな思いをした時は「あの人とは気が合わないから」と忘れてしまう方が賢明です。
相手の言い分が自分にどれだけの悪影響を及ぼすものか冷静に考え、その人との関係が自分にとって重要でない場合は、自分を分かってもらおうとクヨクヨと悩むのはやめてしまいましょう。
まとめ
今回は笑顔うつの症状と無理をしがちな自分を守るための方法について考えてみました。
笑顔うつは自分でも気づきにくく、診断も難しい病です。
今回お伝えした症状に該当する場合は、一度医療機関を受診し、医師に相談してみましょう。
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