台風14号 珍しい九州北部から伊豆諸島へのコース取り
九州北部から伊豆諸島へ
台風14号は、きょう17日(金)午後3時現在、長崎県平戸市の北西約40キロの海上にあって、東北東に時速25キロで進んでいます。
黄色い強風域に入っている西日本では風が強まっており、佐賀で33.5メートル、長崎県大村で32.4メートル、福岡で26.2メートルなどの最大瞬間風速を観測しました。(午後4時10分まで)
また台風周辺の湿った空気の影響で局地的に非常に激しい雨や猛烈な雨が降っており、高知県窪川では6時間で302.0ミリという観測史上1位の集中豪雨に見舞われました。(午前8時30分まで)
台風14号は、九州北部へ上陸し、あす18日(土)朝にかけて瀬戸内海に沿うように東寄りに進んだ後、紀伊半島を通り、あさって19日(日)には伊豆諸島付近で温帯低気圧に変わる見込みです。
引き続き、西日本を中心に、大雨や暴風、高波、高潮などに警戒が必要です。
台風14号に関する全般情報の他、北日本には低気圧に伴う大雨情報が出されていますので、今後も早めの避難行動を心がけて下さい。
過去にあまりない比較的珍しいコース取り
台風が九州北部へ上陸した場合、その多くが偏西風に乗り、速度を上げながら日本海から北陸や北日本へ進んでおり、九州北部付近から真東に進み、伊豆諸島付近を指向する台風はあるようでなかなかないものです。
筆者が統計のある1951年以降で、上陸した208個の台風について調べたところ、今回の台風14号と同じように九州北部付近に上陸、あるいは通過後、伊豆諸島付近へ向かう、いわばお辞儀をするようなコース取りをした台風は、上図のわずか4例しかありませんでした。
今回の台風14号も、少し前までは九州北部付近から温帯低気圧に変わりつつ、速度を上げながら日本海を進み、北日本方面を指向するようなよくあるコースが予想されていました。
ところが日本海へ南下してきた偏西風帯(ジェット気流)には乗り切れずに、日本の南の太平洋高気圧の縁辺に沿って東進するような進路に変わってきたため、九州北部から伊豆諸島を指向するような比較的珍しい進路に変わってきた格好です。
今後も台風14号の動きに警戒が必要です。