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メーガン妃の父「オプラはメーガンとハリーを利用している」

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
アメリカで圧倒的な影響力を持つオプラ・ウィンフリー(写真:REX/アフロ)

 メーガン妃とハリー王子の王室内情暴露で得をするのはオプラ・ウィンフリーだけ。娘のメーガン妃から絶縁されているトーマス・マークルが、アメリカで最大の影響力をもつテレビ司会者を強く批判した。

 マークルがその発言をしたのは、報道番組「60 Minutes」のオーストラリア版。彼は、ウィンフリーによるメーガン妃とハリー王子のインタビュー番組が放映された直後の3月上旬、イギリスの朝番組「Good Morning Britain」に出演し、「30日以内にメーガンから連絡がなければ、自分はまた公で発言する」と述べていたが、それから3ヶ月経ってからの登場となる。インタビュアーに「今なぜ私たちの番組に出ようと思ってくださったのですか?」と聞かれると、マークルは「言いたいことがあるからだ」と答えた。その「言いたいこと」が、ウィンフリーのことだったのである。

「オプラはハリーとメーガンをうまく使おうとしている。自分のネットワークと自分の番組の成功ために、弱っているこの男性を利用しているんだ。そして彼にテレビで言うべきでないことを言わせている」と、マークル。“弱っているこの男性”とは、ハリー王子のこと。“自分のネットワーク”はウィンフリーのチャンネルOWNだ。彼女によるメーガン妃とハリー王子のインタビューはメジャー局CBSだったし、ハリー王子とウィンフリーが共同プロデュースしたドキュメンタリーシリーズ「あなたに見えない、私のこと」はApple TV+での配信だが、彼らからスキャンダルを引き出し、話題を集めることはOWNのためにもなるとウィンフリーは計算しているとマークルは見ているようである。

 事実、「あなたに見えない、私のこと」には、CBSのインタビューの続編とも言えるような感じがあった。CBSのインタビューでは、最初メーガン妃が単独で登場し、途中からハリー王子が加わったが、ハリー王子の“出番”は「あなたに見えない、私のこと」にたっぷりあるからそれまで取っておこうという計画だったのかと、今となっては思えなくもない。そのシリーズで、ハリー王子は、「自分も苦しかったのだから君たちも苦しむのが当然」という姿勢だったという父のことを、「それは違うだろう。自分が苦しかったならわが子は苦しまないようにするのが親だ」と強く批判している。マークルは、「あのドキュメンタリーを見て一番可哀想に思ったのはチャールズだ」と述べた。さらに、インタビュアーに、「ハリーがチャールズに対してやっていることはメーガンがあなたに対してやっていることと同じだと思いますか?」と聞かれると、「イエス」とはっきり答えている。

「彼らはどちらも家族と縁を切ろうとしている。20人は住めそうな家に4人で住んでいる。親戚をバーベキューに招待するようなこともないのだろう」というマークルは、自分が犯した間違いを断固として許さない娘夫妻のことを「冷たい」と嘆く。「彼らは自分の番組で、思いやりや慈悲の心についてのメッセージを送っている。でも、私に対しては何の慈悲もないんだ。王室に対しても」と、マークル。「あんなに冷たいことをする人を私はほかに知らない。メーガンはそれを私に対してやった。そして今、ハリーが同じことを自分の家族に向けてやっている。本当に冷たいことを」とも述べた。

また父の日が来るのに連絡はない

 自分の過ちについて、マークルは娘に「100回は謝った」と語る。しかし、もう3年もメーガン妃からの連絡はなく、ふたりめの孫が生まれたのもニュースで知らされることになった。来月17日で77歳になるマークルは、「私の家系の男性のほとんどは80歳になる前に死んでいる。このまま一生孫を見られないのかもしれない。また父の日がやってくるのがとても辛い」と表情を曇らせる。

オーストラリアの「60 Minutes」の取材に応じたトーマス・マークル(YouTube)
オーストラリアの「60 Minutes」の取材に応じたトーマス・マークル(YouTube)

 だが、彼にしてみれば、過ちを犯したのは自分だけではない。メーガン妃とハリー王子も非常に大きな間違いをしでかしたと、マークルは指摘する。最大のミスは「王室を離れたこと」だ。

「メーガンは王室に嫁いだ。そしてイギリスの人たちは彼女を愛してくれた。彼女を歓迎してくれた。イギリス人はハリーのことも愛している。なのにふたりは背を向けたのだ。あそこでうまくやれる方法はあったはず」とマークル。その後にふたりが選んだ人生にも、納得できない。

「ふたりが正しい道を歩いているとは、私にはとても思えない。ふたりの究極の計画が何なのかはわからないが、今やっていることは人々の心を逆撫ですることばかりだ。これで得をするのはオプラだけだよ」と、マークルは再びウィンフリーを批判した。彼はまた、「オプラは私の言っていることに同意しないだろう。私を訴訟してくるかもしれない。それならそれでいいよ」とも言っている。最後にマークルはハリー王子にもメッセージを送った。「王室について語るのはやめなさい。王室の秘密を暴露するのも。妻とわが子だけでなく、おばあちゃんやお父さんのことも愛しなさい」というのがそれだ。それを受けてインタビュアーが「義理のお父さんのこともですね」と言うと、「そうなったら嬉しいね。私は嫌な人じゃないんだから」と答えた。

 父の日まで1週間。メーガン妃とハリー王子がその言葉に耳を傾けることはあるだろうか。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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