2022年3月にオープンして以来、協力してくれる企業やお店の場所を借りての活動を続けてきたSTUily（スタイリィ）に、ようやく拠点となるシップスターミナルができました！

家でも学校でもない第3の居場所の存在が、福山市内の中高生に新しい交流と刺激を生んでいます。

「ここに拠点ができたことによって、ミーティングやイベントを企画しやすくなりました。自分たちの場所だから、いつでもふらりと来られます。気軽に立ち寄ってみてください」

と、STUily広報担当の大成優希さん（通称なりさん）が取材に応えてくれました。

STUilyとは？

STUilyが本格的にオープンしたのは2022年3月17日でした。

「街の中に自習できる場所がほしい」

高校生たちはその思いを実現するため、一般社団法人ふくやま社中の協力のもと、SHIPS（シップス）と呼ぶ協力店を募りました。

お店の開店準備の時間中に。会議室が空いている時間帯に。カフェの一部のスペースに。

間借りをして、自習できる体制が整います。

やがて、STUilyを運営・利用する高校生たちは、学校をこえたサークル「mi-na-to（ミナト）」を作り、生徒会同士が情報交換する「福山生徒会サミット」を開いて「福山生徒会連合」を組織します。

STUilyの対象は高校生から中学生にも広がりました。

そして、2024年8月7日。中高生たちは「わたしたちの福山フェス」を実現させたのです。

「STUilyは、中高生だからできることを応援する場所です。街や企業と中高生をつなぐのがSTUilyの役割。学校も学年も違う人たちと交流できる場として生まれたのが、このシップスターミナルです」と、大成さん。

シップスターミナルがあるのは、iti SETOUCHIの中です。この場所を作るために、iti SETOUCHI側と中高生たちの間で、ワークショップを重ねました。

自分たちはどのような雰囲気なら居心地がいいのか、話し合って決めていったのです。

中高生たちは、もともとあった場所の改装から始めました。

扉の取り付けは業者さんに頼みましたが、自分たちで作れるものは自分たちの手で、と2024年11月17日、約10人が参加して机と看板を作りました。初めて電動ドライバーを手にした中高生もいましたが、みんなで教え合いながら作業したそうです。

iti SETOUCHIにゆかりのある大人たちも集まって、色塗りの作業などを手伝いました。

出来上がった箱の上に天板を置き、大きな机として使います。

こうして準備した拠点が、2024年12月1日、ついにオープンしました。

オープンのこの日、ラフタードーナツとのコラボレーションイベントも行いました。多くの中高生がドーナツデコレーションを楽しみながら、シップスターミナルのオープンを祝ったのです。

STUilyでは大学生たちも活躍しています。大学生たちが中高生の勉強をサポートしたり、やってみたことの相談にのったりする場が「まなびば」です。大成さんもここに関わる大学生の一人。

「STUilyの大学生に話を聞きたいと、SNSのアカウントに連絡したのがきっかけです。ちょうど次の日にまなびばが発足するということで、ミーティングに誘われました。

そこからまなびばに関わるようになり、福山フェスの実行委員を担当しました。

もともと私は、中高生の居場所、家でも学校でもないサードプレイスを作りたいという思いがあったので、それを伝えて広報を任せてもらうことになったんです」

今まで企業や法人とやり取りをしたことも、広報をしたこともなかった大成さん。初めのうちは戸惑いも大きかったそうですが、STUilyに関わる大人たちや中心となる中高生にも相談しながら、言葉を探してSNSを運用したりプレスリリースを書いたりしています。

「それまでのSTUilyは『中高生の居場所』というイメージが強かったのですが、福山フェスを通して中高生のやってみたいを応援する場ともなってきました。今はこの言葉がSTUilyのコンセプトです」

「これからも、STUilyは中高生の『やってみたい』を応援します。

12月21日（土）には、クリスマスゲームフェスタを開催します。今回は中学生がプロジェクトマネージャーを務め、地域の人とマリオカートを楽しむ予定です。

12月23日（月）には1日限定のカフェ、Cafe Olu（カフェ ルル）を開きます。一人の高校生の思いをみんなで言語化し、協力して準備を進めているところです。中高生だけでなく、普段忙しい大人にも、ゆっくりと楽しんでいただけるカフェにしたいと思っています。

3回目となる福山生徒会サミットは、2025年1月12日（日）に福山市立大学の大講義室で行います。中学校1校と高校5校の生徒会の発表を、ぜひ聞いてください」

と大成さん。

中高生にとっても大学生にとっても、第3の居場所であるSTUily。人と企業と街とをつなげ、やりたいという熱を形に変えています。

「STUilyは、経験したことのないことに挑戦できる、前向きで楽しい場所です。けれども、やりたいことがある人だけでなく、やりたいことを探している人、誰かとつながりを作りたい人もウェルカムです。STUilyはみんなの居場所ですから」