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【福山市】不登校の親子の会「かさねテ」ってどんなところ?座談会に参加してきました

山口ちゆきライター(福山市)

不登校の小中学生の人数は年々増加しています。文部科学省の調査により、2023年度には過去最高の34万人以上に上ったことがわかりました。

子どもが不登校になると、親は悩み苦しみます。周りの親と話ができない苦しさ、共感してもらえない苦しさを、独りで抱えている人もいるのではないでしょうか。


今回は、親子でかがやく不登校カフェ in ふくやま「かさねテ」の座談会のようすをレポートします。

「子どもが不登校になってよかったと思う。全日制高校以外の選択肢があることを知ったから」

「生きているだけでいい」

そのような言葉が交わされる、温かな場所でした。

かさねテとは?

かさねテ主催 郷丸亜希さん
かさねテ主催 郷丸亜希さん

かさねテは、福山市のフリースクールで出会った保護者の有志で結成した「親子がかがやく不登校の会」です。 

月1回の座談会やワークショップでは、親子がやりたいことを実行しています。

この日、本庄コミュニティーセンターの和室に集まった子どもたちは、園児から高校生までの7人。大人も7人。

座談会では親たちが話をする場所と、子どもたちが持参したゲームやおもちゃで遊ぶ場所をゆるく分けています。子どもが親の元に来たり、また子どもたちのところへ帰ったりと、行き来も自由自在なので、親子とも安心して過ごしているようでした。

ワークショップでは次のようなことなどをおこなっています。

・多肉植物の寄せ植え

・アロママッサージ

・映画自主上映会

・和菓子教室

かさねテが目指すのは、再登校ではなく子どもの自立です。

「学校に行かなくてもいいや、と諦めたときから気持ちが楽になり、親子関係も修復しました」

「不登校に悩んでいたときは孤独だったけれど、SNSで同じ不登校に悩んでいるお母さんたちとつながったこと、近くにフリースクールが開校したことが転機になりました」

と、主催の郷丸亜希(ごうまる あき)さんは語ります。

親子で楽しい時間をかさねたい、仲間たちと思い出をかさねたい、親と子・親と親・子と子の気持ちをかさねたい、との思いが込められた「かさねテ」。

気になった人は、どうぞ立ち寄ってみてください。


座談会で話したあんなことこんなこと

お茶を飲みながら、お菓子を食べながら、さまざまな話を交わしました。

【不登校になったときのこと】

・子どもは子どもでしんどいし、親もしんどい。行きたくないという子どもを学校に置いて帰るとき泣けた

・何をしていいかわからないときは、真っ暗いトンネルの中にいるような気分

・不登校になったときに親がやってはいけないことを全部やった

・上の子が不登校になると、下の子も不登校に

・相談をしたくても誰かに伝わることを恐れて、近くでは相談できなかった

【最近の気持ち】

・親の会で楽になった

・かさねテは、子どもと一緒に参加できるから安心

・傷ついて痛みを知ったからわかることがある

・好きなことを好きなようにすればいい

・今日動けているエネルギーを潰さないでいたい

・全日制高校だけではなく、定時制や通信制の選択肢もある

・こんなところにいるべきではないと判断できた力はすごい

・才能を伸ばすことも大事、自分の苦手から逃げることも大事

【不登校だからできること】

・平日の遊園地は空いているから、今度みんなで行こう

・かさねテの「マイクラ部」を作りたい

・放課後に学校の図工室を開けてもらい、先生に糸ノコの使い方を教わって作品を作った

【その他】

・子ども服では小さい、大人の服では大きい、そんなときおすすめの服は?

・通信制高校ってどんなしくみ?

・この間読んだ本、ここがよかった など

不登校だからできることを楽しんでいる親子の姿に、筆者も勇気をもらいました。

子どもたちのようすは?

子どもたちは子どもたちで、ボードゲームやおもちゃで遊んだり、本を読んだり。

安心して過ごせるこの場所を楽しんでいるようです。

かつては年齢の違う子どもたちが一緒に遊んでいる光景は普通でしたが、今ではむしろ、このような場所でもないと珍しいのかもしれません。

「ジェンガやろうよ」

「やるー!」

「できた!」

最後の振り返りで子どもたちに感想を聞くと「楽しかった!」と満足そうでした。

今後の活動や他の親の会について

12月以降、かさねテでは次のような活動を予定しています。ワークショップの申込みはInstagramよりDMで。座談会は予約不要です

・2024年12月14日(土)13:00~16:00

 植物ワークショップ「リースを作ろう」

 場所:cafe day-g(福山市神辺町東中条1177-2)

 参加費:2,000円~

・2025年1月25日(土)13:30~14:30

 和菓子ワークショップ 虎屋本舗さんを招いて和菓作りとお抹茶体験

 場所:本庄コミュニティーセンター1階和室

 参加費:1人2,000円

・毎月第4土曜日 座談会

 場所:本庄コミュニティーセンターなど(Instagramで確認のこと)

 参加費:大人100円、子ども無料 

 ※ただし、12月の第4土曜日の活動はお休み

また、福山市内や近隣には、他にもいくつか親の会があります。

とことこすまいる

 場所:東交流館(福山市東町3丁目7番3号)  

     毎月1回火曜日 10:00~12:00

    加茂交流館(福山市加茂町芦原491-1) 

     毎月1回木曜日 19:30~21:30

 参加費:200円

ぷらっと

 場所:アクティブライフ井原(井原市七日市町12-1) 

 日時:毎月1回 平日不定期開催 10:00~12:00

 参加費:300円

ともり

 場所:国府公民館(府中市高木町601-1)

 日時:毎月1回 土曜日(Instagramで確認のこと)

    

誰かと不登校のことを話したい、悩みを共有したい、これからのことを考えたい。

そう思ったときには、このような会を訪れてはいかがでしょうか。

真っ暗なトンネルの先にも、きっと、出口があると思います。











ライター(福山市)

地域コミュニティWebメディア「備後とことこ」などで活動するフリーランスライターです。男子2人の母。グルメ・観光・福祉など、幅広いジャンルの情報をお届けします。

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