5兆5000億円の『寄付』と言う名の新たな社会投資。ザッカーバーグの新規事業
KNNポール神田です!
マーク・ザッカーバーグ夫妻が、保有するfacebook株の99%(現在の時価総額で450億ドル=5兆5300億円)を、LLC(有限責任会社)として、自らが設立する慈善団体に寄付をすると発表した。
会社名は、Chan-Zuckerberg Initiative 「財団」ではなく一般の「会社」になっているところがミソだ。
https://www.facebook.com/chanzuckerberginitiative/
巷では、いろいろとこの手法が物議を醸し出しているようだ…。
非常に面白い視点である。しかし、少し視点を変えてみるとどうだろうか?
つまり、ザッカーバーグ夫妻としては、単に創業者としてのストックでありあまるほどの資産を運用できる。しかし、その半面、高額所得者の収入の40%もの課税額も半端ない金額となる。その課税された資金の行き先は、ほんの一部の選ばれた議員たちによって運用されているのが現在の税金の使われ方だ。それが、正しく使われているかどうかについては、国民は結果として、何も言及できないのが現在の税制度だ。むしろ、その一部の選ばれた議員たちの運用方法に依存せずに、もっと効率的に税を自分たちで、運用できれば…という方法が今回のLLC一般企業設立ということではないだろうか?慈善団体とはちがい、収支報告義務などが一切ない。一般企業であるため、明確な資金運用やロビー活動なども自由にできる。もちろん、運用益や利息なども発生させることができる。
つまり、ザッカーバーグ夫妻がやりたいことは、社会貢献を「寄付」することによっての「減免」だけではなくく、自ら社会貢献を事業として、ハンドリングしようとしているのではないだろうか?巨額の税金を収めている起業家たちが、進んで資産を寄付しているのは、税金対策と言われがちであるが、その半面、もっとまともな運用を自分たちの目を行き届かせたうえで、行いたいという切実な願いでもあるかもしれない。
世界の資産家が自らの資産の半分以上を慈善活動に寄付する活動「The Giving Pledge」にザッカーバーグは署名し、すでに16億ドル(約1970億円)寄付してきている。
どこの国の税制度も、基本は動かないでじっとしているお金は課税されるというのが原則だ。社会の為に動きまわるお金には、税がかかりにくい。
税金に頼ることなく、富の再分配が可能で社会問題を解決するという新たなビジネスモデルの新規事業をfacebook社の創業者、マーク・ザッカーバーグが発明しようとしていると捉えてみるのも悪くないと思う。事業家が、資産を所有するよりも、社会に運用してくれたほうが、議会によっての再分配で硬直化しているよりはよほどましだとボクは思う。