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【黒部市】展示した作品を薪に!?「富山省三 木とめぐり、つづく道」黒部市美術館6月26日まで

つむみ取材ライター(下新川郡・黒部市・魚津市など)

梅雨入りしました!今回は、梅雨でも楽しめる施設を紹介します。

堀切にある、「黒部市美術館」に行ってきました。

美術館外観(裏側)撮影:柳原良平(画像提供:黒部市美術館)
美術館外観(裏側)撮影:柳原良平(画像提供:黒部市美術館)

緑に囲まれた、黒部市総合公園内にある「黒部市美術館」。

美術館前に設置された企画展ポスター
美術館前に設置された企画展ポスター

現在、行われている企画展は、「富山省三 木とめぐり、つづく道」です。

1940年に黒部市で生まれた富山さんの作品は、生地公民館や入善町民会館コスモホールなど、多くの施設に展示されています。

しかし、黒部市での個展は初。しかも、ここ10年ほどは、引退した気持ちでおられたという富山さん。貴重な機会であることが分かります。

作品を見ていきましょう!

撮影:柳原良平(画像提供:黒部市美術館)
撮影:柳原良平(画像提供:黒部市美術館)

展示室です。

富山さんの作品は、温かみがあり、木が生き生きとしていました。

〈合意83-5/木-限界からの出発No.5〉撮影:柳原良平(画像提供:黒部市美術館)
〈合意83-5/木-限界からの出発No.5〉撮影:柳原良平(画像提供:黒部市美術館)

こちらの作品には、すべての面に均一にノミ跡がつけられていました。凄かったです…造られた作品なのに、自然見える、この作品がとても気に入りました。

左〈Mr.Happyのひとりごと-1〉、中央〈おらのかくれが94-5〉、右〈詩の通りみち’88〉
左〈Mr.Happyのひとりごと-1〉、中央〈おらのかくれが94-5〉、右〈詩の通りみち’88〉

左の作品は、「Mr.Happy」シリーズの一つで、廃材ベニヤ合板で造られていました。

「木を強制乾燥させた合板は、もはや木ではない」という富山さんが、皮肉で付けたタイトルだということです。

私は、廃材が作品になり、木も富山さんも、恩恵を受ける私たちも、みんなハッピー!という作品だと、大きく勘違いしてしまいました。笑

〈妖精たちの遊び場〉撮影:柳原良平(画像提供:黒部市美術館)
〈妖精たちの遊び場〉撮影:柳原良平(画像提供:黒部市美術館)

美術館の外にある、過去の作品で使用した小枝民具で造られた新作です。

企画展も終盤になり、今はかなりの雑草で覆われていました。雑草を含めた作品なのですね。

発表した作品の多くは、解体し、新たな作品やアトリエの一部、さらには、薪として再利用されるそうです。なんとも潔いです。笑

『木が様々な用途に循環していく中で、一時的に作品の形態となっている』という、学芸員さんの言葉が印象的でした。少しでも、富山さんの作品を知ったうえで来館すると、より作品への理解が深まり、展示会を楽しめるのではないでしょうか。

「富山省三 木とめぐり、つづく道」は、6月26日日曜日までです。貴重な機会です。ぜひ、木の造形美を堪能してください。

黒部市美術館
住所:富山県黒部市堀切1035
電話番号:0765-52-5011
開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般500円、高校・大学生400円
   ※ 中学生以下無料
   ※障害者等手帳をお持ちの方と付添1名無料

取材ライター(下新川郡・黒部市・魚津市など)

黒部市・下新川郡・中新川郡・魚津市・滑川市を担当しております。 自然豊かな富山県入善町在住の取材ライターです。食べたい!行きたい!知りたい!と思う最旬の情報をお届けします。

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