【ダイハツ不正発覚!】ダイハツ不正行為について車のプロが内容を解説!
ことの発端は、『2023年4月』ダイハツで認証試験における不正が発覚したことがきっかけでした。
その不正から今年の12月20日、新たに見つかった不正として『174個』もの不正行為が行われたことがわかり、世間を騒がせています。
この記事は車系Instagramアカウントでフォロワー7,600人超え、ブログ「やっさん車好きの味方」を運営する生粋の車好きの私が、ダイハツで起きた不正行為についてプロの目線から内容を要約していきます。
1.どんな不正行為が行われたのか
最初に見つかった不正は海外向けの乗用車の衝突試験での不正行為でした。
認証試験に使う試作車に市場に出回る量産車とは違う加工を施し、認証試験を確実に通るように細工したのです。
不正行為を重く受け止めたダイハツは利害関係のない専門家による第三者委員会を立ち上げました。
結果、発覚した不正として『174個』にも上る不正行為が見つかったのです。
ダイハツで行われた不正行為として、以下の5つの行為が挙げられます。
- エアバッグのタイマー着火による不正加工
- 試験結果の虚偽記載
- 試験速度の改ざん
- タイヤの空気圧の虚偽記載
- 助手席頭部加速度データの差し替え
引用:ダイハツ公式HP第三者委員会『調査報告書』
5つの不正行為について解説していきます。
エアバッグのタイマー着火による不正加工
エアバッグの認証試験で本来センサーで検知し、エアバッグを作動させるものを届出試験に間に合わないという理由でタイマーによる作動で試験を通しました。
試験結果で得られたデータで虚偽の認証申請が行われていたのです。エアバッグは人命を守るための大切な装置、それが正しく検査を行われていないというのだから驚きを隠せません。
試験結果の虚偽記載
後方からの衝突に対する安全性を確保する試験で、運転者席側の試験結果を試験成績書に記載する必要があったが運転者席での試験を行う時間がなく、データのある助手席側のデータを運転者席の試験結果として記載を行った。
運転者席の安全性が不確実なものになってしまったといえます。
試験速度の改ざん
歩行者の頭部と脚部保護試験にて、試験速度よりも速い速度での衝突実験が行われていました。
衝突速度が速ければその分試験では不利になります。
認証試験を厳しい条件下で合格している以上、安全性に問題はないとして速度が基準値よりも超えていた理由を審査機関に報告をしていませんでした。
試験成績書では、基準値に収まるよう虚偽の衝突速度が記載されていたそうです。
タイヤの空気圧の虚偽記載
速度計試験において、国が定めるタイヤの空気圧、指定値20キロパスカルを加えたタイヤで試験を行うようになっていたが行われていませんでした。
過去の試験成績をもとに正しいタイヤの空気圧で試験を行っても試験結果に影響しないと判断し、試験成績書には指定値に20キロパスカルを加えた虚偽のタイヤ空気圧が記載されていたのです。
助手席頭部加速度データの差し替え
フルラップ前面衝突試験の立会において、事前にリハーサルで試験データを用意し、本番の試験では用意されたデータを差し替えて認証試験に確実に合格するように行われた。
不正が行われた背景としては、エアバッグが装備されていない車種だったため。
ダミー頭部が車室内の部材に衝突することによって異常値を出すことを懸念した試験実施の担当者が、認証試験に不合格になることを恐れ、データの改ざんが行われてしまった。
2.影響を受ける車種
今回の不正発覚でダイハツはすべての車の生産・出荷をやめています。
これは他の自動車メーカーにも影響を与えています。
他の自動車メーカーの生産を受託していたダイハツでは生産終了した車を含め、『計64車種』での不正が分かっています。
影響を受けた他の自動車メーカーとして、
- トヨタの自動車22車種(ルーミー、タンクなど)
- SUBARUの自動車9車種(サンバー、ジャスティなど)
- マツダの2車種
になります。
最大手のトヨタにまで影響を与えるとなると影響は計り知れません。現在発売されている車種と合わせて今後大規模なリコールが行われるでしょう。
3.まとめ
この記事ではダイハツで起きた不正行為について内容の要約とその不正行為が与えた車種を解説しました。ダイハツの車を好んで愛用してきたユーザーのみんなのためにも、ダイハツが今後さらに活躍してくれることをプロの立場からも応援しています。ぜひこの苦境を乗り越えてほしいですね。