自律神経失調症になりやすい人の「特徴」と自律神経を「整える」方法について
こんにちは、精神科医しょうです。
「肩こりや頭痛がする」「何となく体がだるい感じがする」「寝ても疲れが取れない」などといった理由のない不調が続いている場合、『自律神経失調症』になっている可能性があります。
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで起こります。
症状は人によって異なり、心身にさまざまな不調が現れます。
自律神経失調症になったときに、休んだ方が良いのか、病院に行くべきか悩む人もいるのではないでしょうか?
今回は自律神経失調症の治し方、なりやすい人の特徴、自律神経を整える方法について紹介します。
自律神経失調症になったら休んだ方がいい?
自律神経失調症は、生活習慣の乱れやストレスの蓄積が原因になっていることが多いです。
自律神経失調症の症状が重く、治療や生活改善をしても思うように症状がよくならない場合は、一度しっかりと休養をとった方が良いでしょう。
特にストレスの原因が仕事にあるときは、業務内容や職場環境について考える必要があります。
自分の能力に合っていない量の仕事が割り振られている、残業が多くプライベートの時間が取れない、深夜勤務などで生活習慣が乱れているなど思い当たることがあるなら、転職や休職も視野に入れなければなりません。
自律神経を整えるためにはしっかりと心身を休めることが大切なので、症状が重い場合は身近な人や医師に相談するようにしましょう。
自律神経失調症の治し方
自律神経失調症を治すには、生活習慣の改善とストレスを溜め込まないようにすることが大切です。
自力で改善していくことが難しい場合は、専門の医療機関やメンタルクリニックで相談すると良いでしょう。
症状によっては、睡眠導入剤や抗不安薬などの薬物療法を行うこともあります。
症状が軽ければ薬物に頼らず、カウンセリングや精神療法、生活習慣の見直しで改善する可能性があります。
また、副作用が少ないとされている漢方薬を治療に使用することもあります。
自律神経失調症になりやすい人の特徴
自律神経失調症になりやすい人の特徴は、内向的な人や真面目な人、心配性な人、HSPなど繊細な気質を持っている人が挙げられます。
これらの性格の人は些細なことで傷ついたり、ストレスを溜め込みやすい傾向があり、過剰なストレスによって自律神経の乱れを引き起こす場合があるからです。
また、冷え性や低血圧、虚弱体質、痩せているなど体質が原因になっている可能性もあります。
ほかにも妊娠や出産、閉経や更年期などによるホルモンバランスの変化が自律神経に影響を及ぼし、症状を発症することがあります。
自律神経を整える方法
食事面で意識すること
自律神経を整えるためには、栄養バランスの良い食事をとることが大切です。
タンパク質(肉、赤身魚、さばなど)、GABAを含む食材(トマト、発芽玄米など)、トリプトファンを含む食材(牛乳、チーズ、魚など)、ビタミンB6を含む食材(鮭、カツオ、バナナなど)をバランス良く取り入れるようにしましょう。
また、下痢や便秘などの腹部の不快感によってストレスが溜まり、交感神経が高まることで自律神経のバランスが崩れることがあります。
腸内環境を整えて便秘や下痢を改善すると、自律神経も整うと考えられているので、食物繊維や乳酸菌などを意識して取り入れるようにしましょう。
腸内環境を整えるために、朝起きたらコップ一杯の水を飲むこともおすすめです。
その際は常温の水か、少し温めた白湯を飲むと良いでしょう。
生活面で意識すること
自律神経を整える方法として、良質な睡眠を取る、適度な運動をすることを意識しましょう。
特に睡眠は私たち人間に欠かせないものであり、夜ふかしや昼夜逆転した生活を続けていると体内時計のリズムが狂ってしまいます。
この体内時計のリズムが狂ってしまうと、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、朝にスッキリ目覚めることができなくなります。
夜はなるべく決まった時間に就寝して、朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる習慣をつけるようにしましょう。
また、デスクワークで座りっぱなしだと血流が悪くなり、自律神経に影響を与えることがあります。
適度な運動やストレッチで、凝り固まった筋肉をほぐしてあげることも大切です。
ストレスを溜めない
強いストレスにさらされ続けていると交感神経が活発になり、副交感神経の切り替えがうまくいかなくなることがあります。
そのような状態が長期化すると自律神経の乱れに繋がり、自律神経失調症を発症してしまう可能性があります。
そうならないためにも、ストレスを適度に発散して、溜め込まないようにすることが大切です。
散歩や日光浴、趣味を楽しむなど、自分に合ったリラックス方法を試してみると良いでしょう。
湯船に浸かったり、リラックス効果のあるアロマやハーブを使用することもおすすめです。
まとめ
自律神経失調症を放っておくと、そのことがストレスや不安に繋がり、ますます症状が重くなってしまう恐れがあります。
心身の不調を「ストレスが溜まっているだけ」「気のせい」だと片付けずに、自分の体調と向き合って生活習慣の見直しをするようにしましょう。
自律神経失調症の症状が重くなかなか改善しない場合は、ほかの病気が隠れている可能性もあるので、精神科や心療内科を受診して医師に相談しましょう。
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