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トマトの旬は夏ではない!夏も!なのですとトマト農家が本気で伝えたい

榎本房枝農業女子/野菜ソムリエプロ

夏といえばトマトと連想される方も多いかと思います。私は生まれたときから、トマト農家の娘だったので、ずっとトマトにまみれてました。トマト好きには幸せな環境だと思いますが、トマト農家あるあるで、トマトばっかり見ていると食べたくなくなります。食卓にのぼっていても、飾りのような存在で箸をつけることがドンドンなくなりました。農家あるある余談はまたの機会にしておきましょう。

トマトの旬っていつだと思いますか。夏の暑い日にかぶりつくイメージがあるので夏ぽいですよね。でも、トマトって高温が苦手なので夏の暑い時期には美味しいトマトが育たないのです。我が家は関東の平地の埼玉県。あの日本一暑い町の熊谷があるのも、埼玉県です。そのため夏はビックリするくらい暑いのです。年々全国的に気温が上昇しているとはいえ、両親は60年以上前からトマト栽培をしていますが、露地栽培ではなく、施設栽培(ハウス栽培)を当時からしていました。そうなのです、関東の平地のトマト農家は、皆ハウス内でトマトを栽培しているのです、そしてその植え付けが夏~秋。収穫スタートが冬というサイクルでトマト農家はまわっています。そして冬の時期から収穫スタートして夏には終わりなのです。もちろん夏も元気に育ってくれれば収穫は続きますが、暑さでトマトの木が弱ってしまい、病気になりやすくなり、終了となるのです。そういう意味からも、関東の平野ではトマトの旬は、冬から夏のはじめまでで、終了になります。

野菜の旬は、いわゆる「一番味が乗っている時期」や「たくさん収穫できる時期」になります。そうなのですトマトが一番たくさん収穫できる時期、流通量が多いのは春。イコール春が一番美味しい時期なのでおすすめなのです。しかし、夏の時期は北海道や東北の産地からトマトは出荷されますし、他の地域でも標高が高い、高原地帯では夏に出荷する作型で栽培しているので、産地によっては夏が旬というところもたくさんあるのです。夏のトマトは産地をみて購入するのも美味しいトマトに出合えるチャンスです。

暑い時期は食欲もなくなるので、つめたく冷やしたトマトは重宝するので、食卓にのぼる機会がたくさんあると農家としては嬉しいです。

※この記事には個人の見解を含みます。

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農業女子/野菜ソムリエプロ

農業女子(農水省・農業女子プロジェクトメンバー)、農業内外の様々な企業とのコラボで、使いやすい商品開発をし、職業としての農業と、野菜の魅力を社会に発信中。農業女子としてメディア実績多数。農作業着など現場の意見を取り入れてもらい「ワークマン公式アンバサダー」として、商品開発あり。保有資格:野菜ソムリエプロ、調理師、フードアナリスト2級。

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