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美しさと幸せをまとい、人生の第2のステージで華麗に舞う、和央ようかに集まる注目

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
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「深イイ話」で注目、元タカラジェンヌ・和央ようかの”華麗なる転身”

11月16日に日本テレビ系でオンエアされた『人生が変わる1分間の深イイ話』のテーマは、「有名人の妻は本当に幸せなのか?SP」。そこで元宝塚歌劇団宙組のトップスター・和央ようかの、海外での生活の様子がクローズアップされ、早速ネット上で話題を集めている。

和央は、アメリカのミュージカル界には欠かせない世界的な作曲家、フランク・ワイルドホーン氏と昨年3月に電撃婚約し、今年7月にハワイ・マウイ島で挙式。現在は世界中を飛び回る夫に同行し、妻としてサポート役に徹している。宝塚歌劇団という、歴史と伝統に彩られたエンタテインメント集団の中でトップを極めたタカラジェンヌは、今度は世界のエンタテインメントシーンの中に身を置き、様々な事を吸収しているようだ。

改めて和央のキャリアを振り返ってみると、宝塚時代は “新しいスター”として、注目を一身に集める存在だった。174cmと長身で小顔、ナチュラルな雰囲気を醸し出す、それまでにはいなかったタイプだ。初舞台は1988年花組公演「キス・ミー・ケイト」。初舞台後は雪組に配属され、1998年宙組誕生と共に宙組に組替え。2000年に姿月あさとの後任として、宙組トップスターとなった。

ちなみに、タカラヅカって何?名前は聞いたことあるけど、どういうものなのかさっぱりわからない、という人のために説明すると、宝塚歌劇団は、本拠地は兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で、東京・日比谷にも東京宝塚劇場がある。未婚女性だけで構成された総勢400名の劇団で、現在は花、星、月、雪、宙(そら)の5組に分かれている。各組の中心に位置するのが、トップと呼ばれる男役で、公演の主役を務める。公演の基本的な構成は、前半が芝居またはミュージカル、後半がショーという内容で、主役は後半のショーの最後に、大きな羽飾りを付けた衣装で、舞台上の大階段から降りてくる。このシーンはテレビなどで目にしたことがある人も多いのではないだろうか。もちろんトップは観客の注目を最も集めるポジションで、個々の力と同様に、公演の出来や組を引っ張り、盛り上げるリーダーシップ、様々な責任が求められる。また公演の動員数も、トップの力を計る大きな材料になる。かなりの重責を担うも、羨望の的でもあるトップを夢見て、毎年多くの少女が宝塚音楽学校の門をたたき、その合格発表の様子は毎年ニュースで取り上げられ、春の風物詩となっている。

タカラジェンヌの”新しいトップ像”を作りあげた”新しいスター”

そんなタカラジェンヌのトップの中でも、ひと際輝きを放っていた和央ようかは、彼女を通して宝塚に興味を持ったという人も多いといわれているほど、魅力あふれる存在だった。生まれ持っての“貴公子”という言葉がぴったりのマスク、美しくナチュラルで、でも野性味も感じさせてくれ、人間味溢れるそのキャラクターは、それまでにはなかった独特のトップのスタイルを作り上げた。オーバーな演技ではなく、あくまでもナチュラルな、言ってみれば彼女の“現代的な”演技がきっかけで、すんなりと宝塚の世界に入っていけたというファンが多い。また、174cmという長身から繰り出される、キレのあるダイナミックなダンスはパワフルで、芝居、ダンスを含めて彼女がステージに立つだけで“何か”を予感させてくれる、そんな存在だった。しかし2005年、最後のライブショー「W-WING-」ではフライングを失敗、落下し大ケガを負い、2006年『NEVER SAY GOODBYE』を最後に人気絶頂の中、退団。退団後は、舞台、コンサート、ディナーショー、映画、テレビなどで活躍している。

彼女の退団公演『NEVER SAY GOODBYE』の作曲を、宝塚側がブロードウェーミュージカルシーンには欠かせない作曲家・フランク・ワイルドホーン氏に依頼、和央との運命の出会いが待っていた。さらに2011年、2013年とワイルドホーン作品のミュージカル『ドラキュラ』に、和央がドラキュラ伯爵役で出演。2013年交際をスタートさせた。

ワイルドホーン氏は、様々な舞台に作品を提供し続け、ブロードウェイで自身の作品『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』『南北戦争/ THE CIVIL WAR』が3本同時に上演された最初のアメリカ人作曲家としても有名だ。他にも『ドラキュラ』『アリス・イン・ワンダーランド』『ボニー&クライド』『カルメン』『モンテクリスト伯爵』『ルドルフ』『デスノート』など、20作以上のブロードウェイ、そしてインターナショナルの公演を数多く手掛けている。また過去にはアトランタオリンピック開会式や、ホイットニー・ヒューストンらに曲を提供した、世界的な作曲家だ。

世界的な作曲家と結婚。支えることで成長を続ける”新しいプライド”を手にする

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そんな“トップ”二人の結婚は大きな話題をさらい、結婚式にはブロードウェーのスター達が勢ぞろいし、雑誌では特集が組まれた。そして二人のニューヨークでの生活の様子を『人生が変わる1分間の深イイ話』が追っていた。そこには甘い生活を楽しみながらも、世界中を飛び回る夫・ワイルドホーン氏に同行し、常に隣にいて支える和央の姿があった。宝塚時代はいつもスポットを浴び、退団してからも注目を集め続けていた和央が、ワイルドホーン氏といる時は“裏方”に回っていた。でもそれには理由があった。和央は夫と一緒に世界中を回ることで「自分が更に成長でき、夫を輝かせる存在でいたい」ときっぱり言う。妻となったこと、しかも相手が世界的な作曲家ということで、特殊な環境と言えなくもないが、彼女は夫を支えながら自分も成長していくという、新しい“プライド”を手にした。それはこれから妻として、女性として、そして女優、舞台人としての彼女を輝かせるための最高の“時間”になる。彼女は「フランク・ワイルドホーンの側にいる人間として、恥ずかしくない存在でいたい」と彼を人生の伴侶に選んだ妻として、そしてパートナーとして決意を新たにし、「ひとつの道を一緒に歩いていきたい」と、優しくも力強い瞳で語っていた。華麗だった宝塚時代から、また更に華麗に転身した和央ようかの姿がそこにあった。

そんな二人がクリスマスシーズンの日本で共演する。ワイルドホーン氏の初来日公演となる『フランク・ワイルドホーン&フレンズ ジャパンツアー』は、世界のミュージカルスターとミュージシャンが日本に集結。12月23日大阪・梅田芸術劇場、26、27日東京・東急シアターオーブで、ワイルドホーン氏が世に送り出してきた名曲の数々を、作曲家自身に選ばれたトップクラスのボーカリスト5人が歌うという、なんとも贅沢でレアなコンサートが行われる。ワイルドホーン氏は「日本での公演は楽しみにしている。美しい曲と魔法のようなショーを観てもらいたい」と自信に満ちたコメントを寄せている。愛する妻の故郷でのパフォーマンスということで、ワイルドホーン氏のいつも以上に熱を帯び、気合の入ったパフォーマンスを見ることができそうだ。

フランク・ワイルドホーン&フレンズ ジャパンツアー特設サイト

和央ようかオフィシャルサイト

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音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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