サイン盗みのリスクが大幅軽減?!MLBが今季からバッテリーのサイン交換で電子機器使用を認可へ
【今シーズンからサイン交換で新システムを導入】
ESPNら米主要メディアが報じたところによると、MLBは今シーズンから投手と捕手のサイン交換で電子機器の使用を許可したようだ。すでにMLBから各チームにメモが送付されたという。
今回の措置は、ここ数年問題になっていたサイン盗み問題を解消するとともに、試合時間の短縮に繋がると期待されている。
30チーム中15チームがシーズン開幕から同システムを採用する予定で、シーズン終了までに全チームで導入されると予想されている。
【携帯型機器を装着しサイン交換が可能に】
今回導入される電子機器システムは「PitchCom」というもので、同社の公式サイトからもその概要を確認することができる。
捕手が手首に携帯型送信機を装着し、機器のボタンを押すことによって球種、コースを決めることができる。これに対し投手は携帯型受信機(公式サイトの画像によれば帽子に装着)を携帯することで捕手のサインを受信し、音声で確認できるようになるというものだ。
これにより、捕手は指や声でサインを出す必要がなくボタン操作で済むので、相手チームからサインを盗まれるリスクが減り、さらにサイン交換の時間が短縮される効果が期待されている。
米メディアによると、球種やコースに合わせて守備位置を変更しなければならないため、投手の他に3人の野手も受信機を携帯できることになるようだ。
【すでに選手たちも好感触】
ESPNの記事によれば、すでにチームによっては試験的に電子機器を導入していたようで、ヤンキースのルイス・セベリーノ投手は以下のように、歓迎している。
「素晴らしいと思った。最初はちょっと疑っていたけれど、実際に使用してみると、本当に良いものだと分かった。間違いなく最初の登板からこれを使用すると思う。次に投げるのか即座に分かるからね」
セベリーノ投手の意見を聞く限り、選手の負担も少なく、かなり使用しやすいものだということが理解できるだろう。
【時短効果があるなら将来的にNPBでも導入か?】
USAトゥデイ紙のボブ・ナイチンゲール記者によれば、前述したように、MLBは15チームがシーズン開幕から同システムを導入すると予測しているようだ。
残念ながら15チームがどのチームなのかまでは確認できないが、エンジェルスが加わっているとしたら、開幕投手が決まっている大谷翔平選手も同システムでサイン交換することになるかもしれない。
大谷選手のマウンドでの仕草に注目したいところだ。
またMLBが期待するように試合時間の短縮に繋がる効果があるようなら、同じく試合時間の短縮が求められているNPBでも、将来的な導入が検討されることになるかもしれない。