NY原油17日:週末を控えての利食い売りで反落
NYMEX原油5月限 前日比0.97ドル安
始値 56.56ドル
高値 56.88ドル
安値 55.31ドル
終値 55.74ドル
週末を控えて買いポジションの整理が進む中、反落した。
特に目立ったネガティブ材料は見当たらなかったが、週末を前に利益確定の手仕舞い売りが先行した。15日、16日と連続して年初来高値を更新していたことで、ポジション調整の動きが優先された。米ベーカー・ヒューズ社発表の石油リグ稼動数(4月17日時点)は前週比-26基の734基と下振れしたが、マーケットの反応は限定された。逆に、前日の石油輸出国機構(OPEC)月報で3月のサウジアラビア増産が報告されたことなどが蒸し返され、買い玉整理の動きが優勢になっている。
本日の下げは専ら週末要因に基づくものであり、特に大きな意味はない。シェールオイルの減産見通しを背景とした上昇ロジックが否定された訳ではなく、ポジション調整との評価に留まることになる。本格的な下げに転じるには、シェールオイルの減産が国際原油需給の緩和状態を否定するにはなお不十分であることが周知される必要があるが、現時点ではそこまでの変化が進んでいるのかは不透明である。
3月にサウジアラビアが大規模増産を進めていたことが再確認される中、実際の所はシェールオイルの減産に大きな意味はない。国際需給の緩和状態を若干是正できるか否かという視点に留まり、4月に入ってからの上昇相場には強い違和感がある。短期トレンドは明らかに上を向いているが、今後は高値是正の必要性が強く、下値不安の大きい価格水準と評価している。