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『MLBの伝道師』モー娘。'21・牧野真莉愛の野球愛が凄い!

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
野球愛を炸裂させる牧野真莉愛(秘密のケンミンSHOW極より)

 6月29日(日本時間30日)のニューヨーク・ヤンキース戦で、2打席連続となる本塁打を放って、ホームラン・ダービーのトップに立った大谷翔平。

 ここ13試合で11本塁打と大爆発しており、その勢いは増している。

 そんな大谷の勢いに負けていないのが、アイドル界随一の野球好きとして知られるモーニング娘。’21の牧野真莉愛だ。

 MLBのテレビ中継を観るのが日課である牧野は、「今日は・・・すっごく楽しみにしてたヤンキース戦。中継みれて、まりあとっても嬉しい」とヤンキー・スタジアムで行われているロサンゼルス・エンゼルス対ヤンキースの4連戦を朝から観戦していると公式ブログで報告している。

 生まれも育ちも愛知県の牧野だが、プロ野球チームで好きなのは北海道日本ハムファイターズ。4歳のときに新庄剛志に初恋をしてからファイターズを応援し続けている。

 多い時にはシーズンで50試合近くも球場で生観戦していたほどの筋金入りファイターズ・ファンの牧野は、人気アイドルとなった今でも、時間さえあれば球場に応援へ行っている。一軍の試合はもちろんのこと、ファームの試合にも足を運ぶほどに熱いファイターズ愛の持ち主だ。

 メジャーリーグに興味を持ったのは、元ファイターズのダルビッシュ有がきっかけ。

 「MLBを観るようになったのはダルビッシュ投手がきっかけです。17年に初めてダルビッシュミュージアムに行ったとき、ダルビッシュ投手がMLBで使用しているバットやグラブなどを見て、MLBで投げるダルビッシュ投手のこともしっかり追っていきたいなと思いました。それからMLB中継を観ているうちに、自然と(選手を)覚えていきました」とスポーツナビのインタビューで語っている。

牧野真莉愛は元ファイターズのダルビッシュ有のMLB移籍がきっかけでMLBを観るようになった(写真:三尾圭)
牧野真莉愛は元ファイターズのダルビッシュ有のMLB移籍がきっかけでMLBを観るようになった(写真:三尾圭)

 メジャーリーグを見始めてまだ3、4年の牧野だが、その知識の豊富さとMLB愛の深さは20年近く現地でメジャー取材を続けている筆者でも目を見張るものがある。

 そんな牧野が最もお気に入りのメジャーリーガーがヤンキースのアーロン・ジャッジ。

 「テレビ画面にうなじの一部が映っただけでもジャッジ選手とわかるほどです」というほどのジャッジ・マニアだ。

 2018年11月にモーニング娘。がニューヨーク公演を行った際には、牧野は忙しい合間を縫ってヤンキー・スタジアムを訪れている。メジャーのシーズンは終わっていたために試合を観戦することはできなかったが、スタジアム・ツアーに参加して「聖地」に足を踏み入れた。そんなエピソードからも、本当に野球を好きな気持ちが強く伝わってくる。

ヤンキー・スタジアムの「ジャッジズ・チェンバース」席に座って記念写真を撮る牧野真莉愛(公式ブログより)
ヤンキー・スタジアムの「ジャッジズ・チェンバース」席に座って記念写真を撮る牧野真莉愛(公式ブログより)

牧野真莉愛が最も愛するメジャーリーガー、アーロン・ジャッジ(写真:三尾圭)
牧野真莉愛が最も愛するメジャーリーガー、アーロン・ジャッジ(写真:三尾圭)

 ファイターズで育った大谷がいるエンゼルスと、ジャッジのヤンキースが、牧野が訪れたこともあるヤンキー・スタジアムで4試合も戦う。

 「明日も中継、ヤンキース戦。まりあとっても楽しみです」といつも以上に観戦に熱が入っている。

野球と無関係なバラエティ番組で野球愛を熱く語る

 6月24日に日本テレビ系列で放送されたバラエティ番組「秘密のケンミンSHOW 極」に出演した牧野は、ご当地グルメを紹介する番組で、野球とMLBの例え話をぶっこみ続けて、フロアディレクターから「野球例え禁止!」のカンペを出されて爆笑の渦を巻き起こした。

 豚の角煮、うずらの卵、キャベツ、玉ねぎが入っている岡山県の「山珍の豚まん」を食べると、「まさに大谷翔平選手のよう」と表現して、「二刀流を越えて、三刀流いける。野菜、角煮、うずらも入って、ピッチャー、外野の守備、バッターもできる(大谷と同じ)。これはまさにビッグフライ」と大谷の豪快なホームラン級の豚まんだとコメント。

 MLBに詳しくない視聴者でも、毎日のようにニュースになっている大谷であれば馴染み深く、例えとして名前を出されてもすぐに理解できる。視聴者にやさしい例えを出しながら、メジャーリーグ愛も同時に伝え、笑いもとった「三刀流」なコメントだった。

岡山、山珍の豚まんを食べた牧野真莉愛は、三刀流の大谷翔平のようだと例えた(写真:三尾圭)
岡山、山珍の豚まんを食べた牧野真莉愛は、三刀流の大谷翔平のようだと例えた(写真:三尾圭)

 おにぎりをかまぼこで包んだ沖縄県の「ばくだん」は、「野球のボールにしか見えない」と言い、「今シーズンからMLBではボールが変わったんですよ。あまりホームランが飛ばないようにってなっていたんですが、このボールはホームランが出せるような弾力」と補足的な知識を付け足した。

 ホームランが増えて、試合が大味になってしまったメジャーリーグでは、今季から反発係数の少ないボールを使用。その結果、今季は一転して投高打低となると、今度はシーズン途中に、これまで黙認していた投手により滑り止めとして使う粘着物質の使用を禁止するようになった。

 これは最近のメジャーで大きなニュースとなっているが、そこに関連した話題を振りながら、飛ばないボールをスタンドに叩き込み続けて、ホームラン争いをしている大谷の凄さも伝えている。

 司会の田中裕二と久本雅美から野球の話題はもういいと突っ込まれながらも、MLB愛のアピールを止めなかった牧野はバラエティ的にも正解だった。

 牧野の野球に関するコメントは、常に笑顔で、心から野球を愛していることが伝わってくるので、野球に関心が薄い視聴者にとっても嫌にならず、興味を持つきっかけとなりえる。

 まさに「MLBの伝道師」と呼べる人気アイドル。それが牧野真莉愛だ。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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