寒さも本番を迎え、水元公園では名物のメタセコイアをはじめとする多くの木々が葉を落としています。そんな中、園内の奥深くにある森や苗圃の一角では、サザンカの花々が見事に咲き誇り、冬木立に彩りを添えています！

園内北部に広がる「せせらぎ広場」の周辺は、メタセコイアの紅葉シーズンが終わり、現在は静かな時を迎えています。しかしせせらぎ広場の西にのびるポプラ並木と「自由広場」の間にある森に近付くと、はっと目を引く鮮やかな紅色が目に入ってきます。実は冬枯れた森の中に、30本以上のサザンカの木が立っており、艶やかな花を枝にびっしりと咲かせているのです。

葉を落とした木も多い森の中で、濃いピンク色のサザンカが一斉に咲いている様子は、闇の中で灯された明かりのよう。本数は少ないですが、白いサザンカも咲いています。こちらの花は小ぶりながらも清楚な美しさ。寒風が吹くこの季節に、勢いよく花を咲かせるサザンカを見ているだけで、エネルギーをもらえるような気がします。

サザンカはツバキによく似ていますが、花ごとポトリと落ちるツバキと違って、花びらが一枚ずつヒラヒラと散るのが特徴です。森の中のサザンカの木々の根元にもたくさんの花びらが散っており、はかなくも美しい眺めになっていました。

園内の北部にある「水元公園苗圃（びょうほ）」にも、サザンカの木々が見事に花を咲かせている一角があります。都立公園や街路を整備する際の樹木を供給するために運営されている苗圃では、いくつかの区画に分けて様々な苗木や預かり樹木を育成していますが、ひときわ目を引くサザンカの木が並ぶのは「圃場2区」。遠くからも一目でわかるほど大きな木々に、マゼンタ色のサザンカがこぼれんばかりに咲く様子がたいへん華やかです。大切に育てられていることがわかります。

冬枯れの季節を美しく彩るサザンカの花々を見に、水元公園に足を運んでみてくださいね。寒さを吹き飛ばしてくれるような華やかさです。