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今季は1番起用が濃厚な大谷翔平に期待がかかる年間先頭打者本塁打記録!現記録保持者は元広島のソリアーノ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
今シーズンは年間先頭打者本塁打記録の更新もありそうな大谷翔平選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【今シーズンの1番起用を示唆したマドン監督】

 MLB公式サイトでエンジェルスを担当しているレット・ボリンジャー記者によれば、シーズン開幕戦の打順について尋ねられたジョー・マドン監督は以下のように説明し、大谷翔平選手の1番起用を示唆しているという。

 「ショウヘイが1番を打つ可能性がある。アンソニー(・レンドン選手)が打順にいるのであれば、いろいろ状況が変わってくる。まだ決断したわけではないし、(1番を任せられる)マーシュやデビッド(・フレッチャー選手)もいる。

 ショウヘイが2番を打つのをかなり気に入っているが、それと同時に彼が1番を打つのも好きだ。アンソニーが打線に戻ってくれば、すべてが変わってくる」

【昨シーズンは23試合に1番で起用】

 あくまで決定事項ではなく、レンドン選手がケガなく打線に残り続けることが前提条件になってくるが、実はマドン監督のアイディアは決して的外れなものではない。

 マドン監督が大谷選手の他に1番打者として名前を挙げている、マーシュ選手は昨年MLBデビューを飾った若手有望選手なので、まだ1番打者の実績に乏しい。

 また昨シーズンはエンジェスルの中で最多の87試合に1番打者として起用されたフレッチャー選手にしても、出塁率が.305に止まっており、やや物足りなさを感じる。

 ところが大谷選手の場合、昨シーズンは23試合に1番打者で起用され、出塁率は.388を残している。さらに先頭打者としての第1打席の成績に限ると、打率.391(23打数9安打)、4本塁打を記録するとともに、9安打のうち6本が長打だったため、長打率に至っては1.044に至っているのだ。

 まさに長打力も期待できる1番打者になれるため、試合の主導権を握る上で大谷選手ほど理想的なリードオフマンといないだろう。

【記録更新を期待したくなる年間先頭打者本塁打数】

 もし年間を通して大谷選手が1番打者として起用されるようなら、やはりファンとして期待してしまうのが先頭打者本塁打だろう。前述通り昨シーズンも23試合で4本塁打を記録しているのだから、MLBの年間記録も更新することも可能ではないだろうか。

 ちなみに現在の年間最多先頭打者本塁打記録を保持しているのは、かつて広島に在籍していたアルフォンソ・ソリアーノ選手だ。彼がヤンキースに在籍していた2003年に、13本の先頭打者本塁打を放っている。

 ソリアーノ選手はカブス在籍時代の2017年にも12本の先頭打者本塁打を記録しており、上位1、2位の記録を保持している(2位はブラディ・アンダーソン選手とのタイ記録)。

【年間10本以上はわずか6人のみ】

 語るのは簡単だが、MLBでも先頭打者本塁打は決して簡単なことではない。

MLB公式サイトによれば、年間で10本以上の先頭打者本塁打を記録している選手は、のべ6人しか存在していない。上記のソリアーノ選手(2回)、アンダーソン選手に加え、ボビー・ボンズ選手、ジャック・ジョーンズ選手、チャーリー・ブロックモン選手だけだ。

 果たして今シーズンの大谷選手は、このエリートグループに仲間入りすることができるだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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