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6年前に優勝したハード・ヒッターが球宴のホームラン・ダービー出場に意欲

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)Jun 26, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 オールスター・ゲームの前日に行われるホームラン・ダービーに、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は出場しない。それについては、先月中旬に「25本塁打のジャッジはホームラン・ダービーに出場せず。5年前はダービー優勝&シーズン本塁打王」で書いた。

 ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)とマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)も、ジャッジと同様だ。ゲレーロJr.の不参加は、スポーツネットのシャイ・ディビディが最初に報じた。トラウトについては、MLB.comのレット・ボーリンジャーらが不参加を伝えている。

 だが、ジャッジのチームメイト、ジャンカルロ・スタントンは違う。ジ・アスレティックのリンジー・アドラーによると、7月8日の試合後、ホームラン・ダービーに出場するかどうかを訊ねられたスタントンは、「まだ決定じゃない、でも、きっとそうなる」と語ったという。

 スタントンは、マイアミ・マーリンズ時代に3度、ホームラン・ダービーに出場した。2014年、2016年、2017年だ。出場2度目の2016年は、優勝している。

 5年ぶりとなる出場は、開催地が大きな理由だろう。今年のオールスター・ゲームは、ロサンゼルス・ドジャースの本拠地、ドジャー・スタジアムが舞台だ。スタントンは、ロサンゼルス郊外で生まれ育った。

 今シーズンのホームランは、ジャッジより9本少ないとはいえ、21本を数える(7月9日時点)。2017年には、シーズン60本塁打まであと1本に迫った。

 また、スタットキャストによると、2015年以降に記録された初速118.0マイル(約189.9km)以上のホームランのうち、ほぼ半数の10本は、スタントンが打っている。それ以外は、ジャッジが5本、大谷翔平(エンジェルス)やピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)ら6人が1本ずつだ。

 今シーズンのホームランの初速トップ10も、1位と5位と7位がスタントン。それぞれ、119.8マイル(約192.8km)、116.3マイル(約187.1km)、115.9マイル(約186.5km)を記録した。ちなみに、2位は大谷の118.0マイル、3位はゲレーロJr.の117.9マイル(約189.7km)だ。

 なお、ホームラン・ダービー3連覇がかかっているアロンゾの出場は、まだ決まっていない。ファン投票でナ・リーグ一塁手のファイナリストに残り、WFANのカートン&ロバーツ・ショーで「先発メンバーに選ばれたら、ホームラン・ダービーに出場する」と語ったが、得票はポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)に及ばなかった。

 もっとも、アロンゾは、オールスター・ゲームのメンバーには選ばれた。3年ぶり2度目の選出だ。3度目のホームラン・ダービーに出場する可能性は、かなり高いのではないかと思う。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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