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台風14号は沖縄へ、次の3連休も熱帯擾乱と秋雨前線の動向に十分注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

台風13号は中国大陸に上陸

台風13号の予報円(ウェザーマップ)
台風13号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

強い台風13号は、さきほど16日(月)午前9時頃、中国大陸の上海付近に上陸したとみられます。今後も西寄りに進み、あす17日(火)午前9時までには熱帯低気圧に変わる見込みです。

大型の台風14号はまっすぐ沖縄へ

台風14号の予報円(ウェザーマップ)
台風14号の予報円(ウェザーマップ)

昨夜15日(日)午後9時、日本のはるか南海上(マリアナ諸島)で、台風14号が発生しました。台風が発生する時は、まだ比較的小さな渦であることが多く、黄色い強風域の直径はせいぜい500キロ程度のことが多いものですが、今回の台風14号は、発生当初からその直径が1300キロもある大型の台風として発生しました。(台風の大きさは風速15メートル以上の強風域で定義されています

大型の台風14号は、足早に北西方向へ進み、あさって18日(水)から19日(木)にかけて、沖縄付近を通過した後、20日(金)には中国大陸へ進み、熱帯低気圧に変わる見通しです。

フィリピン付近の熱低は南シナ海を西進か

予想天気図(ウェザーマップ)
予想天気図(ウェザーマップ)

あす17日(火)午後9時の予想天気図をみると、まず1の熱帯低気圧は台風13号から変わったものです。そして2の熱帯低気圧は、現在フィリピンの東海上にあるものですが、最新の予想では、どうやらフィリピンを西寄りに横切り、南シナ海へ入った後も、西寄りに進む計算が多くなりました。(この熱帯低気圧は新たな台風となり、南シナ海を西進する予想です。

一方、台風14号は日本の南を進み、先述した通り、沖縄付近を西進した後、中国大陸で熱帯低気圧に変わる見込みです。ただこれで熱帯擾乱の影響が全てなくなるかというと、そういうわけでもなさそうです。

タイトル画像の雲の様子をみると、引き続き、フィリピンの東は雲だらけの状態で、台風14号が沖縄から中国大陸へ進んだ後も、今週末の3連休にかけて、新たな熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が発生し、沖縄付近へ北上してくる計算が一定程度みられる状態で、安心できる状態ではありません。

次の3連休は秋雨前線の活動も活発化?

暖湿流と雨の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
暖湿流と雨の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は今週末からの3連休の中日の22日(日)秋分の日の状況を予想したものです。沖縄付近には新たな熱帯擾乱とみられる際立った暖湿流の塊があり、その暖湿流の影響で、本州付近で顕在化した秋雨前線の活動が活発となり、広く激しい雨を降らせる予想となっています。

猛暑期から秋雨期へ、どちらも警戒が必要

天気と予想最高気温(ウェザーマップ)
天気と予想最高気温(ウェザーマップ)

天気と最高気温の予想をみると、今週19日(木)頃までは、関東から九州で、季節外れの猛暑が続出し、九州などでは38度以上まで上がる異常な残暑となる所があるでしょう。福岡県の太宰府では、きのう15日(日)まで、ことしの猛暑日の日数が57日となっていて、日本の歴代記録を大幅に更新中ですが、予想通りならば、61日まで殖える計算です。

一方、20日(金)頃からは、ようやく異常残暑に終止符が打たれるものの、今度は秋雨期の始まりとなり、先述した熱帯擾乱や暖湿流の振る舞い次第では、広範囲で大雨や荒天となることも十分に考えられる状態です。今後も最新情報にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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