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スマートフォン経年調査(1)子どものスマホ率急増、小6男児は1年で12倍に

竹内和雄兵庫県立大学環境人間学部教授
スマートフォン率の推移(女子)単位は%

スマホ経年調査について

筆者の研究室と寝屋川市小中学校生活指導連絡協議会(会長:西田要一堀溝小学校長)は、寝屋川市内全小中学校の小5~中3の1クラス抽出で、2012年6月から半年ごとに、小中学生とスマートフォンについて調査を共同で行っています。分析は筆者の研究室が行っていますが、(株)ディー・エヌ・エーが集計、分析の協力してくれています。

ここでは何回かにわたって、3回目(2013年6月実施)までの調査結果について報告していきます。

調査時期及び人数

平成24年 6月 小中学生 2716人

平成24年12月 小中学生 2592人

平成25年 6月 小中学生 2740人

なお、ここでのスマートフォン率は、携帯電話を所持する児童生徒の中のスマートフォンを所持する割合を意味します。

調査結果

スマートフォン率

スマートフォン率の推移(男子)単位は%
スマートフォン率の推移(男子)単位は%

男子は、中1のスマホ率が最も高く60.7%。これに中3の58.0%、中2の50.8%が続きます。 ここ1年間のスマホ率の伸びは、小6が最も高く12倍。これに中1の11倍が続きます。小中学生の間で急速にスマートフォンが広がっていることがよくわかります。

スマートフォン率の推移(女子)単位は%
スマートフォン率の推移(女子)単位は%

女子では、中3女子のスマホ率が最も高く62.7%。これに中1の58.3%、中2の53.2%が続きます。ここ1年間のスマホ率の伸びは、中1が最も高く8.5倍。これに小6の8倍が続きます。

女子のデータからもスマートフォンの急速な広がりがわかります。

このデータから、携帯電話を新規購入したり、買い換えたりするとき、ほとんどの場合、スマートフォンにしていることがわかります。今後もこの流れは変わることはないでしょう。

スマートフォンでなければできないことはさまざまあります。その代表的なのは、LINE で、子どもたちにとっては必須アイテムになりつつあります。

LINE だけでなくFacebook、twitter、多様なゲームなどの長時間使用、炎上問題、ネット上の人間関係の歪み等、いろいろな問題が起こっているスマートフォンが小中学生の間に予想以上のスピードで広がっていることがわかります。

学校だけでなく、広く早急な対応策を検討する必要があります。

ちなみに、携帯電話(スマホとガラケー両方)の所持率は以下のグラフの通りです。

携帯電話所持率の推移(男子)単位は%
携帯電話所持率の推移(男子)単位は%

これらのグラフから、小学生も過半数が携帯電話を所持していることがわかります。

中学生の女子では8割以上、男子でも6割以上が所持しています。

みんなで考えていくべき問題でしょう。

携帯電話所持率の推移(女子)単位は%
携帯電話所持率の推移(女子)単位は%
兵庫県立大学環境人間学部教授

生徒指導提要(改訂版)執筆。教育学博士。公立中学校で20年生徒指導主事等を担当(途中、小学校兼務)。市教委指導主事を経て2012年より大学教員。生徒指導を専門とし、ネット問題、いじめ、不登校等、「困っている子ども」への対応方法について研究している。文部科学省、総務省等で、子どもとネット問題等についての委員を歴任している。2013年ウィーン大学客員研究員。

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