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熱帯擾乱が発生する可能性があり、来週は日本の南へ?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

まだ低気圧の予想だが・・・

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像をみると、赤い丸の中に雲の塊があります。これは上図のように、おととい9日(火)午後9時に発生した低気圧に伴うものです。この低気圧は今後、ゆっくりと西寄りに進む予想で、まだ不確実性が大きいものの、暖かい海水温上に入り、水蒸気を補給しつつ、上空に暖気核を持つ熱帯擾乱(熱帯低気圧)の性質に変化する可能性があります。

熱帯擾乱として来週日本の南へ?

上空の高度と雨雲予想(ウェザーマップ)
上空の高度と雨雲予想(ウェザーマップ)

上図は日本の主たる数値計算による予想(GSM予想)で、先述した低気圧から変わる可能性のある熱帯擾乱が、週明けにかけて、小笠原付近を西進し、来週には日本の南へ進む計算となっています。

強まった太平洋高気圧の真ん中に入り込むような形となるため、まだどの程度発達し、どのような進路をとるかなどは、不確実性の大きな段階ですが、もし発達して、北上するような場合は、本州付近の天気に影響してくる可能性もあるため、今後の予想に注意が必要です。

気になる海水温の高さ

海水温とその平年差(気象庁発表に筆者加工あり)
海水温とその平年差(気象庁発表に筆者加工あり)

このところ、日本の南海上で太平洋高気圧の勢力が強く、連日、強い日差しに熱せられているため、特に6月下旬以降、海水温が上昇し、現在は平年より2度から3度も高く、広く30度以上となっています。このような海域にもし熱帯擾乱が進んでくれば、暖かな海面上から水蒸気の補給をたくさん受けて、一気に勢力が強まる可能性もあり、今回だけではなく、今後、熱帯擾乱が発生した場合の振る舞いにも注意が必要となります。

来週の梅雨明けに影響も?

10日間予報(ウェザーマップ)
10日間予報(ウェザーマップ)

最新の10日間予報をみると、3連休まではまだ梅雨前線の位相が本州の南岸付近に停滞して、曇りや雨の傾向が続く見込みです。九州を中心に、14日(日)頃までは、大雨となる所がありそうで、引き続き、警戒が必要です。

そして3連休が明けるとともに、太平洋高気圧の勢力が拡大するため、次第に晴れ間が広がり、来週の後半までには、多くの所で、梅雨明けの発表がありそうな予想です。ただ先述した熱帯擾乱の発生や振る舞い次第では、来週後半の天気に影響してくる可能性もあり、梅雨明けの発表に何かしらの影響が出る可能性も考えられます。

今後発生する可能性のある熱帯擾乱の動向にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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