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【京都市中京区】“新選組発祥の地”八木家で抹茶と屯所餅をいただく

くまライター(京都市)

「新選組」は幕末に結成された、浪人による武力組織。1863年に将軍上洛警護のために幕府によって結成されましたが、京都で分裂。京都に残ったメンバーが会津藩主で京都守護職の松平容保(まつだいらかたもり)の下で新選組を名乗り、京都の治安維持のために活躍しました。

今年2023年は新選組の結成から160年。京都市では毎年7月から9月にかけて、普段は非公開の文化財を特別公開する「京の夏の旅」というキャンペーンを行なっていますが、第48回となる今回は「新選組結成160年 & 世界遺産」をテーマに、新選組ゆかりの文化財が多く公開されています。

結成から1867年に鳥羽・伏見の戦いで敗れて江戸に撤退するまで、京都で活躍した新選組。そのため京都には多くの新選組に関連するスポットがありますが、その結成の地といえる壬生には、壬生寺や旧前川邸、新徳寺といった関連スポットが密集しており、まさに聖地といえます。
その中でも人気が高いのが、新選組の屯所だった「八木家」です。

壬生屯所旧跡 八木家

「八木家」は壬生の郷士だった八木家の邸宅。八木家の始祖である八木又兵衛は、織田信長に滅ぼされた越前(今の福井県)の戦国大名・朝倉義景の子だとされています。

幕府によって結成された浪士組は上洛後、壬生の郷士宅を屯所としました。
八木家には、芹沢鴨のグループと近藤勇のグループが宿泊します。浪士組が分裂して江戸に引き上げたたあとも芹沢・近藤らは八木邸に残り「壬生浪士組(のちの新選組)」を結成しました。

芹沢鴨暗殺の舞台

新選組の筆頭局長となった芹沢鴨ですが、その傍若無人がうとまれ、近藤らのグループによって暗殺されます。

島原の角屋で宴会があった後、八木家に戻った芹沢と平山五郎らは、泥酔して寝ていたところを襲われ、命を落としました。八木家には今も、そのときについた刀傷が残されており、見学することができます。

残念ながらここから先は撮影禁止です
残念ながらここから先は撮影禁止です

門は1804年、主屋は1809年の造営で、当時のおもかげをよく残したとても貴重な建造物です。
新選組ファン・歴史ファンでなくても、古い建築物が好きな人はぜひ見てほしい。

八木家を拝観するには

八木家は今も八木家の子孫が継承しており、1983年(昭和58年)には京都市指定有形文化財に指定されています。

現在は隣接する建物で「京都鶴屋鶴寿庵」という和菓子店を営んでおり、拝観の申し込みはこちらで行います。拝観はガイドの説明、抹茶、屯所餅がついています。

京都鶴屋鶴寿庵
京都鶴屋鶴寿庵

拝観には抹茶と屯所餅がついてきます
拝観には抹茶と屯所餅がついてきます

屯所餅
屯所餅

「屯所餅」は壬生菜を刻み入れたお餅で大納言小豆の粒あんを包んだ、新選組にちなんだお菓子です。

「新選組結成160年 & 世界遺産」をテーマにした「第48回 京の夏の旅」は、2023年の7月8日(土)から9月30日(土)まで開催中。八木家のすぐ周りにある壬生寺新徳寺旧前川邸も貴重な文化財を公開しています。ぜひ一緒に八木家にも立ち寄られてはいかがでしょうか。

壬生寺
壬生寺

新徳寺
新徳寺

旧前川邸
旧前川邸

新選組 壬生屯所旧跡(八木家)
住所/京都市中京区壬生梛ノ宮町24
電話/075-841-0751(京都鶴屋鶴寿庵)
拝観時間/9:00〜17:00
拝観料/大人:1,100円(税込、ガイド・抹茶・屯所餅つき)
    中高生:1,100円(税込、ガイド・抹茶・屯所餅つき)
        600円(税込、見学のみ)
    小人:800円(税込、ガイド・抹茶・屯所餅付き)
       300円(税込、見学のみ)
Webサイトはこちら

ライター(京都市)

大阪生まれの大阪育ち、京都在住のライター・DTPデザイナー・イラストレーターです。京都の情報誌を経てフリーランスになりました。よろしゅうおたのもうします。

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