【神戸】SDGsプロジェクトで純米吟醸酒!地エネの酒「環(めぐる)」って一体どんなお酒?
今、日本酒業界が盛り上がっていますね。その勢いは止まることなく、遂にSDGsのプロジェクトでも日本酒を作るといった取り組みが出てきました。そしてこのプロジェクト、実は面白いのはそこに集まったメンツの顔ぶれなんです。
地エネ酒「環(めぐる)」は、兵庫県内の4蔵元、4農家、そして神戸新聞社が共同で行っているという何とも斬新なプロジェクトのお酒です。どこでどう繋がったらこういうメンツになったのか興味津々ですよね。実はこれ、元々は「地エネと環境の地域デザイン協議会」(事務局・神戸新聞社)の中から生まれたものなのだそう。
なるほど、ちょっとした社会実験といった所でしょうか。こういった風に、日々別々の活動をしている人達が一緒にひとつのチャレンジをしてみるって面白いですよね。しかも時代の流れに沿って「SDGs」というテーマの元に、持続可能な社会に向かおうとしている姿も素敵です。
「環」を作る段階としてまず、神戸や加西市の農家さん達が山田錦というお米を栽培しました。山田錦とはお酒を作るのに適したお米のことです。その栽培時に、廃棄食材や家畜の排泄物からのバイオガス、その副産物として生まれた「消化液」を肥料としてお米を育てています。
そうやって作られたお米を、次は農家さんから酒造所にバトンタッチ。神戸、加西、加古川、宍粟市にある4酒造所が、それぞれの作り方で独自の日本酒を作り上げました。今回は4種類の味が仕上がり、そのどれもが作る工程や仕上がりも違っていて、日本酒の味の幅広さや奥深さを私たちに教えてくれています。
蔵元さんからお話を伺うと、基本的にどれも辛口テイストなのですが「播州一献」と「福寿」は香りが立ってスッキリした味わい、「富久錦」と「盛典」は生酛造り(きもとづくり)で味がしっかり濃いめ、乳酸菌が効いてキリッとしているそうです。
瓶に貼ってあるラベルの右端に数字が記載されていますが、これは材料を生んだそれぞれの田んぼの番号だそうです。そういった部分からもこだわりが伺えますよね。
そしてその作る工程以外にも、この「環」を取り巻く流れが全体的に循環を生むようなシステムになっています。神戸新聞さんは、この循環を作り出したプロジェクトの運営全般を行っています。
くるくるとめぐる「環」のサイクル。有機物である生ごみなどの解決の道筋を示し、消化液での栽培で農薬や化学肥料に頼らない農業を目指していくことで、地球環境に優しい日本酒づくりを目指しています。
それはどんなサイクルかと言うと、こうです。「生ごみなどの発酵で地エネ&資源」→「バイオガスを熱と電気に」→「消化液による山田錦の栽培」→「人と自然をつなぐ日本酒」→「飲んで食べてオーガニック支援」。そこからまた矢印は「生ごみなどの発酵で地エネ&資源」へと円を描くように繋がっていきます。
遠いようで実は近い「SDGs」の活動。美味しく「環」を飲むだけで、小さな循環を作り出せるなんて嬉しいですよね。地エネ酒「環」は、28日(火)まで神戸阪急のB1特設会場にて販売しているので、ぜひ仕事帰りに覗いてみて下さいね。(※他、約30店舗の酒屋や百貨店などでも取り扱いあり)
「地エネの酒 for SDGs プロジェクト」
~兵庫県内の4蔵元と4農家、神戸新聞社による取り組み~
消化液を供給
弓削牧場(神戸市)
山田錦を栽培
豊倉町営農組合(加西市)
名古屋敦さん(加西市)
中西重喜さん(神戸市)
日本酒を醸造
「播州一献」の山陽盃酒造(宍粟市)
「盛典」の岡田本家(加古川市)
「富久錦」(加西市)
「福寿」の神戸酒心館(神戸市)
プロジェクト運営調整
神戸新聞社
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※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています