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【河内長野市】秋といえばやはりススキ!幻想的な岩湧山登山、超初心者が滝畑ダムから挑戦しました。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

一般的に秋の風物詩といえば紅葉やコスモスを思い浮かべますが、やはり河内長野市内の秋の風物詩と言えば、最高峰・岩湧山のススキ。10月中旬から11月にかけて、ススキの穂で山頂部分が一面に覆われます。

どうしてもこの目で見てみたい!ということで、さっそく標高897.7メートルの山に登ってススキを見てきました。ただし私は登山初心者。登山靴を用意してチャレンジしました。

岩湧山へはいろんなアクセス方法がありますが、今回は南海電鉄(外部リンク)が出しているモデルコースにチャレンジしました。リンク先にあるコースは、滝畑ダムバス停から岩湧山を経由して紀見峠駅に向かうAルート。私は公共交通を使いますのでこれにしました。

もちろん逆方向でもいいのですが、滝畑ダムバスと河内長野駅を結ぶバスは本数が少ないので、滝畑ダムをスタートにした方が無難。河内長野駅9時4分発のバスに乗りました。実はこれを逃すと11時2分、12時30分発となってしまいます。

帰りの紀見峠駅からは電車が頻繁にあるので、先に本数の少ない滝畑ダムを出発点とすれば、バスの時刻を気にすることもないので精神的にも楽でした。

滝畑ダムと登山口の間にある看板です。あと400メートル先にあるとのことですが、ここではその上にある「ダイヤモンドトレール(通称:ダイトレ)」について確認しましょう。

これは1970(昭和45)年に大阪府によって整備した自然歩道です。大阪・奈良・和歌山県境の金剛・葛城山系の稜線を縦走するのが特徴。岩湧山をはじめ、大阪府最高峰の金剛山もルート上に含まれます。

名称の由来は、金剛山からの金剛石(ダイヤモンド)からきているとか。奈良県香芝市にある屯鶴峯(どんづるぼう)から和泉市の槇尾山(まきおさん)まで全長45キロメートルです。

今回はそのダイヤモンドトレールの一部を通って、登山を開始。この白い登りの部分からいよいよ登山道が始まります。

いきなりこのようなものを見つけました。どうやらこれは自然の枝で作られた杖で、登山する人が自由に使える物です。実はかつて滋賀県の安土城に行ったときに、こういう風に由に使える杖を借りて山城を登ったことがあります。

これが非常に楽で、今回登山用の杖(トレッキングポール)を買おうかと迷ったほどでした。結局登山当日まで杖を手に入れられなかったので、代わりにこちらを拝借。結論からいえばこれがあったおかげで、登山の大変さがかなり軽減されました。

いよいよ登っていきます。ウォーキングでは10キロくらい軽くやっていますし、何しろ街中でも坂道の多い河内長野市内に住んでいますから、多少の坂には自信がありました。

しかし登山は本当に大変。そのハードさにおいて、通常のウォーキングとの格の違いを見せつけられました。

事前に登山を趣味とする知人からのアドバイスに従い、今回は登山靴も用意しました。そして実際に、この登山靴には大いに助けられます。

しばらく登ると、湧水が出ているところがありました。こういう湧水は、ここのほかにも周辺にいくつかあるようです。(今回の登山道ではここだけ)

コップがついていましたが、やはり今はこれを直接使う勇気などなく、用意していたコップで水をいただきました。冷たくて美味しかったです。

しばらく急な坂道を登るとこの標識がありました。「カキザコ」とあります。このカキザコとは尾根の名前なのですが、登山のルートを見ると滝畑ダムからこのカキザコまでが急な登りで、ここからは距離はあるけれど緩やかな登りとなっています。

しかしこの後実際にわかりましたが、確かに緩やかなところは増えてはいます。それでも急なところはたまに出てきて苦労しました。

苦労しながら、そして立場的に撮影をしながらの登山なので、一般的な人と比べてかなりのスローペース。この間も何人もの人に追い越されてしまいました。中には最初のころに追い越された人が、いつの間にか頂上から走って降りるのに遭遇したことも。

強者(つわもの)が多いなぁと思いながらも、このような幻想的なシーンに突然巡り合えます。美しい光景に感動しながら、なおも踏ん張りながら登っていきました。

登山道は、初心者でも迷うことないように、道しるべもしっかりありました。このように要所要所にベンチがあり、休憩することもできました。ゆっくりマイペースを守れば、初心者だって標高897メートルの山もクリア可能です。

苦労しながら登っていくと、急に視界が開けてきました。この先の開けたところにあったのが、あの一面のススキの原です!

視界が開けると、いきなりこのような石碑と看板を見つけました。ここは滝畑自治体の所有地とのこと。ところで滝畑地区を調べると実は本当に広く、河内長野市の3割くらい占めていることが分かりました。

ここまで登るのも一苦労の登山初心者からすれば、管理の度に下からここまで登っていると思われる、自治会の人たちに頭が上がりません。

岩湧山といえば、ここ! 有名な、この場所に到着しました!

一面ススキに覆われた山の真ん中の階段を登っていきます。この上はもっとススキが覆っていて、背の高さくらいまでありました。

さあついに頂上。これが河内長野の秋の風物詩、岩湧山のススキです。

頂上はお弁当が食べられる広場になっていて、すでに先に来ていた人たちが、楽しそうにお弁当やカップラーメンを食べていました。

広場の真ん中には、このような山頂のパノラマから見える場所を教えてくれます。

ここで弁当をいただき、少し休憩しました。しかしどうやらここが本当の頂上ではないようなのです。この後先に進みますが、さらに少しだけ登りがありました。

少し進んだところにある道の途中に、このようなものがありました。これが頂上を意味する三角点と思われます。だから広場ではなく、この石の場所が標高897.7メートルの岩湧山頂上地点。そして目の前には、いちばん最初の画像「岩湧山」と大きく書かれた看板がありました。

さて頂上付近からの絶景です。真ん中にうっすら白いものが見えると思いますが、あれが富田林市の象徴、PLタワーこと大平和祈念塔(だいへいわきねんとう)。そしてそこから下にかけてが河内長野市の住宅地のようでした。

名残が惜しいですが、一般的に2時間程度で登れる道を3時間以上かけて登ってしまったので、すでに午後1時30分。

そのため、早く下山しなければなりません。幻想的なススキの道を降りていくと正面の緑の森に吸い込まれて、山の中に戻ります。

緑の森に入るとすぐのところにあるトイレは、岩湧山の山頂付近にある唯一のトイレです。登山は長丁場ですから、できるだけ立ち寄って用を済ませましょう。

実は最も岩湧山登山での近道が、岩湧寺経由のルート。これは市内の南ヶ丘や南青葉台あたりから舗装された道を登っていく方法があります。寺の近くには四季彩館や駐車場があるので、車で山を目指す人はこの方法で登るのが一般的。

岩湧寺からの登山道は急な道のルートと緩やかなルートがあり、急なルートで一気に登れば、この温度計がある九合目近くに最速で行けます。

こちらは、緩やかなルートで岩湧山を目指すルートとの分かれ目。今回私は引き続きダイトレ(ダイヤモンドトレール)沿いに紀見峠を目指します。

この後は五ツ辻、根古峰といった登山コースに登場する拠点を通過していきました。下りはペースが上がったのですが、それでも装備が充実した手慣れた登山者に「急ぎますので」と言われてしまいます。そのほかの人にも次々抜かれていきました。

下りは登りと比べて基本的に楽です。この辺りのルートは比較的緩やかに降れるようで、九合目から、八、七、と各合目の表記とこのようにベンチがあり、ゆっくりと降りられます。一瞬、紀見峠から登った方が楽だったのではと思いました。

しかしこれは後で間違いだと気づきます。

ついに三合目まで来ました。ここからダイトレルートとはお別れで、いよいよ南海線の紀見峠駅を目指します。

標識を見ると、標高650メートルとあります。このとき一瞬嫌な予感がしました。「まだそんなに山を降りていない」と。

そしてその予感は見事に的中してしまいます。

ダイヤモンドトレールと分かれた瞬間、今までとは道が違い、急に悪路になります。木が折れて横倒しになったところがあったり、あたかも氷河が通過した後のように山がえぐれた道があったり、非常に歩きにくい道を苦労しながら降りていきました。

気が付けば大阪府から和歌山県に入った模様。

苦労しながら下っていくと、ようやく歩きやすい道が出てきます。この辺りは携帯の電波も入ったり入らなかったりということで、正確な位置情報が分からず少し不安になりました。

時刻は午後4時前になっていたことも余計に焦りを感じます。あと1時間もすればいよいよ暗くなります。山道で暗くなると、登山初心者にとってひとたまりもありません。

気が付けば、むき出しの地面がコンクリートの道に変わっていました。どうやらこの辺りは林道で、車も通れるようになっていました。これで少し安心。とはいえまだまだ山の中。これは結構急で、足のあたりがガクガクするほどの下りでした。

越ヶ滝方面に向かう道との合流点に来ました。ここに登山口を表す標識があります。ここからは緩やかな林道となり、また隣に小さな川が流れていて、ようやく下に降りて来たと思いました。

こちらが林道と並行して流れている根古川です。

ついに、南海電車の線路を発見。無事に紀見峠駅付近に降りてきました。

無事に紀見峠駅に到着しました。時刻は午後17時を回ったところ。滝畑ダムバス停を午前10時ごろに出発し、頂上で20分ほど休憩したとはいえ、ここに来るまで7時間もかかってしまいました。

駅前のベンチに、滝畑ダムの登山口と同じように、自然の杖が置いていました。ということで滝畑ダムの登山口で拝借した杖をここでお返しします。

それでも無事に登れたという達成感!これが再び山登りをしたくなるアドレナリンのようなものを発しているのか、そのようなことを考えながら、河内長野方面に向かう電車を待ちました。

岩湧山
住所:大阪府河内長野市滝畑 
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 滝畑ダムバス停から 徒歩120分以上           
     南海紀見峠駅から徒歩180分以上 (いずれも個人差による)

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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