「竹島の日」に対抗して制定された「独島の日」 「奪還」vs「守護」
韓国にとって今日(10月25日)は「独島の日」である。韓国政府は李明博(イ・ミョンパク)政権下の2010年に10月25日を「独島の日」に定めたのである。
(参考資料:竹島を巡る日韓「抗議合戦」 韓国は防衛省の「子供用防衛白書」に!日本は韓国国会議員の「竹島上陸」に!)
「独島」は日本が歴史的に国際法的にも日本の固有の領土と主張している「竹島」のことである。
日本の「竹島の日」は2月22日である。国ではなく、竹島が帰属している島根県の議会が2005年に竹島に関する島根県告示100周年を機に県告示のあった日の2月22日を「竹島の日」に定めている。韓国よりも5年も早い。韓国の「独島の日」制定が「竹島の日」への対抗措置であることは自明だ。
島根県も毎年「竹島の日」に記念式典や講演会など奪還のための様々な活動を展開しており、今年も松江市で開かれた式典では丸山達也知事が「占拠を既成事実化しようとする動きが続いている。極めて遺憾である」と韓国側を批判していたが、韓国も10月25日は「独島」を管轄している慶尚北道を中心に「独島守護」キャンペーンを展開している。
今年は「独島の日」を前に海軍UDT戦友会メンバー33人が鬱陵島から独島まで泳ぎ渡るイベントが行われ、また、韓国安保評論家協会会長による講演会(演題「なぜ、海兵隊が独島を守らなければならないのか」)も開催されていた。
「レインボー幸福研究所」なる機関が子供に愛国心を植え付けることを目的に「独島は我が領土」の歌を子供らにも歌えやすいように替え歌に、またアニメにして普及する活動も始めていた。
また、慶尚北道の出捐機関である独島財団(理事長は李喆雨(リ・チョル)慶尚北道知事)は18日と19日にソウル東北アジア歴史財団会議室で「独島領有権の証拠となる古地図の分析」と「鬱陵島地名と独島名称」をテーマに学術会議を連続して開いていた。
同財団は今年の「竹島の日」にもソウルの乙支路4街の地下街で「日本の歴史歪曲の真実を明らかにし、『3.1(独立運動記念日)』精神を継承するための独島資料展」を開催していた。
古地図分析セミナーでは国内の民間団体などに所蔵されている239点の古地図に関する現況調査が行われ、構築したDBが国内で初めて発表された。「鬱陵島地名と独島名称」の学術会議ではシン・ヨンハ独島学会名誉会長の基調演説に続いてそれぞれの議題に従い、活発な討論が行われていた。
慶尚北道同庁も22日に独自に嶺南大法学専門図書館で「サンフランシスコ講和条約と独島領土主権」をテーマに学術会議を開いていた。
特に目を引いたのは野党「国民の力」所属のチョン・ヨンギル道議員が14日に開かれた議会本会議で演説をし、「独島の日」を国家記念日に指定するよう求めたことだ。
チョン議員は「民間社会団体が2010年から10月25日を『独島の日』に宣布し、各種記念行事を行っているのに政府は『独島の日』を国家記念日に指定せず、公式行事も開催していない」と批判し、文政権に「この日を国家記念日に指定し、記念行事を主催すべきである」と求めていた。
実は日本政府も島根県が「竹島の日」の記念式典を県主催ではなく政府主催への格上げを求めているが、日本政府も今もって応じていない。また、島根県では式典への閣僚の出席を求めているが、政府は政務官の派遣にとどめている。北方領土については2月7日を「北方領土の日」に制定し、毎年政府主催の行事をやっているのとは対照的である。
日本は2014年1月30日の国会での答弁(1月30日)で安倍晋三首相(当時)が竹島の領有権問題に関して国際司法裁判所(ICJ)への単独提訴を検討し「準備を進めている」と発言していたが、一向にそうした動きはみられない。