コロナ特例も!合格すれば返済不要となる、東京都の「受験生チャレンジ支援貸付」
学習塾の費用や高校・大学などの受験費用を無利子で借り、合格すると返済が免除される「受験生チャレンジ支援貸付」。一定所得以下の世帯が対象の、東京都独自の制度です。意外と知られていないのですが、該当する世帯の受験生は要チェック。コロナ禍で収入が下がった世帯の特例もあります。
■対象となる学年など
制度を利用できる学年は次の通りです。中途退学者の再チャレンジでも利用できます。
・中学3年生
・高校3年生
・高校・大学等中途退学者
・高等学校卒業程度認定試験合格者
・定時制高校4年生
・浪人生等
ただし、年齢は20歳未満です。
■貸付金は2種類
無利子で貸付けを受けられる資金は、高校・大学受験対策の学習塾等の費用と、高校・大学等の受験料です。
<学習塾等受講料>
入試に備えるために必要な学習塾、各種受験対策講座、通信講座の受講費用を上限20万円まで借りられます(家庭教師は対象外)。通信講座は添削を伴うものに限られます。貸付け対象となる学習塾等や進路希望の学校にも要件があります。
<受験料>
中学3年生等
・高等学校(特別支援学校高等部・高等専門学校を含む)の受験料
・上限2万7400円(4回分まで。1回の上限は2万3000円)まで貸付け
高校3年生等
・大学(短大、専修学校、専門職大学、各種学校を含む)の受験料
・上限8万円
学習塾受講料+受験料で、中学3年生等なら最大22万7400円、高校3年生等なら最大28万円を無利子で借りられます。
なお、中学3年時と高校3年時にそれぞれ利用することは可能ですが、高校3年時と翌年の浪人時など、1人の子供に対して複数年度での利用はできません。
■申込める対象者は?
下記の要件をすべてクリアしなければなりません。また貸付けには審査があります。
□世帯の生計中心者(収入が高い方、20歳以上)である
□収入・所得が一定以下(世帯合計)である
例)世帯人数4人の場合
給与収入で386.4万円以下(ひとり親世帯441.5万円)
合計所得金額で255.1万円(ひとり親世帯299.2万円)
□世帯員の預貯金等資産保有額が600万円以下である
□世帯員が土地・建物を所有していない(自宅や所得を得ていない不動産は除く)
□生計中心者や要支援者は都内に1年以上在住(住民登録)し、住民票地に居住している(要支援者に一部例外あり)
□生活保護受給世帯でない
□暴力団員が属する世帯でない
*詳細は確認してください
■貸付けを受けられる条件は?
下記の条件をすべて満たし、さらに、審査を通る必要があります。
□下記を満たす子どもを養育している
・都内に1年以上在住(住民登録)し、住民票地に居住
・借入申込者と同居の同一世帯
・中学3年、高校3年、これに準ずる者(高校・大学等中退者、高卒認定試験合格者、定時制高校4年生、浪人生、編入希望者等)*その年の4月1日時点で20歳未満
□連帯保証人を確保できる
・同一世帯でない、20歳以上の人
・一定以上の年収がある その他
□連帯保証人を立てるのが困難な場合、要支援者を連帯借受人として設定する方法も(条件あり)
□世帯員がほかの公的資金の借受人や連帯保証人の場合、債務の滞納がない
この貸付けを利用する最大のネックは、一定以上の収入のある連帯保証人(同一世帯不可)が必要な点といえそうです。連帯保証人を立てるのが困難な場合は、連帯借受人(=連帯債務者)でも可能だそう。詳細は相談してください。
■不合格で返済が必要なとき
制度を利用したにもかかわらず、残念なことに不合格だった場合は、最長5年間で返済します。貸付けを受けた年度末の翌日から6カ月は据え置きとなり、その後、返済が始まります。大学受験で24万円借りた場合、5年(60回)返済なら、毎月4000円ずつの返済(口座引落し)となります。
期限内に返し終わらなかった場合は、年3%の延滞利子が発生します。
■貸付けが返済免除になった時の課税は?
合格して貸付金が返済免除になった場合、それは親にとっての所得と見なされます。所得の種類としては「一時所得」となり、ほかの一時所得(保険の満期金や競馬・競輪などの懸賞金など)と合わせて50万円を引いた残りの半分が所得として合算され課税対象になります。ほかに一時所得がなければ非課税で済みます。
■新型コロナウイルスの影響による特例対応
収入要件は、原則として前年の収入(令和3年度の課税証明書)で判断しますが、新型コロナウイルスの影響等により今年の収入が前年より減少している場合、今年の収入で判断してもらえます。相談窓口で相談してみましょう。
申込や相談⇒住んでいる区市町村の窓口や社会福祉協議会等へ
参照:東京都のパンフレット(令和3年度)