集中力に影響!? プロテイン、サプリメントによる意外なデメリットと、3つの対策を紹介
こんにちは「仕事のパフォーマンスを上げる健康習慣」をテーマに企業、大学、行政などで講師をしています健康マネジメントスクール水野雅浩です。
ビジネスパーソンの中には、仕事に集中するために「食事は簡単に済ませたい」そこで、プロテインやサプリメント、時には栄養補給ゼリーで済ませている人はいるかも知れません。しかし、こうした食事は結果として仕事のパフォーマンスを下げてしまいます。
こうした食事のデメリットを把握しておくとともに、早めの食生活の転換が必要です。
■プロテイン、サプリメントのデメリット3選
(1)プロテイン
たんぱく質摂取の重要性が広く行き渡り、老若男女にプロテインブームが広がっています。
私は10年間介護サービスの仕事をしていたため、たんぱく質をしっかり取っていた人のほうが寝たきりにも認知症にもなりにくかった経験があり今のたんぱく質摂取のトレンドはとても良いことだと考えています。
これに伴って、コンビニなどでもプロテインドリンクが増え、豆腐、魚肉ソーセージ、カマボコなどにもたんぱく質10gなどと記載されるようになりました。まさに、「プロテイン・ブーム」の到来です。
しかし、気をつけなくてはならないのが、プロテインドリンクだけで、1食を済ませてしまうこと。
プロテイン≒たんぱく質は重要な栄養素ですが、それだけだと、腎臓に負担がかかりすぎてしまい極度の疲労を感じるようになってしまいます。
また、たんぱく質ばかり集中的に取ってしまうと大腸の腸内環境が乱れてしまい便秘どころか免疫力まで低下することに。
カラダのためと思って逆効果になっている人も実は、少なくありません。
(2)サプリメント
サプリメントも今ではコンビニなどで手に入る栄養補給食品です。
忙しいときにはエナジードリンクとサプリメントで栄養補給をしているビジネスパーソンがいますが、これはNG。
自然界には特定の栄養素だけを抽出して爆発的な量を詰め込んだ食品はありませんし、私達のカラダは、特定の栄養素を一度にドカンと摂取するようにはできていません。
私は企業で健康マネジメントをテーマに講師をしています。あるビジネスパーソンからどうにも疲労がひどいと健康の相談があり、食生活を聞くと「毎日カップラーメンにサプリメント」という食生活を続けていました。
海外ではカップラーメンなどはempty food、つまり「栄養が空っぽな食事」と表現されます。空っぽな食事に、高濃度な栄養素をドカンととっても、プラスにはならないのです。
(3)栄養補給ゼリー
栄養補給ゼリーが流行っています。CMでもそれを見ない日はありませんし、短時間でいかにもスマートに食事を取れてデキルビジネスパーソンのようです。
一見、手軽に見える栄養補給ゼリーの課題は、糖質が過剰かつ、食物繊維が少ないなこと。
裏面を見るとわかるのですが、炭水化物≒糖質が約45g。シュガースティック約15本分の糖質が入っています。しかも、糖質の吸収率を抑制する食物繊維はほぼゼロ。
結果として、小腸から糖質が血液に流れ込み一時的な脳内ハイの状態ができますが、1時間後には、低血糖になり集中力がたもてなくなります。ではどうすればよいのでしょうか。
■知って起きたい、集中メシの基本
ビジネスパーソンにとって、集中力をキープするための集中メシは、パフォーマンスに関わる要素。
(1)朝食は、卵かけご飯で、アタマとカラダを起動させる
年収が高いビジネスパーソンは何を食べているのかを調べた時間栄養学の研究では、年収が1000万円を超えるビジネスパーソンの共通点は、朝食に、炭水化物とたんぱく質がセットになっていると報告されています。
和食では、ご飯と卵。洋食では、パンと目玉焼き。グラノーラと牛乳。バナナとヨーグルトのような組み合わせでも良いでしょう。炭水化物は、アタマのエネルギーになり、たんぱく質は、体内時計を整え、基礎体温を上げてくれます。しかも朝のたんぱく質は、夜、熟睡するための睡眠ホルモンの材料になるためしっかり取りましょう。
アタマとカラダを起動させるためには、炭水化物とたんぱく質の組み合わせが最強なのです。
(2)昼は、焼き魚定食で、脳に良い栄養を補給する。
午後を乗り切るためには、脳神経を活発にするためのビタミンB群とオメガ3が欠かせません。
これらを取るには、焼き魚定食+納豆が理想的。納豆にはビタミンB群が豊富。
焼き魚になるような青物の魚にはオメガ3が豊富です。
毎日、ランチは焼き魚定食というのはいささか継続が難しいのですが、まずは、週に2回を目標にしましょう。週に2回、魚介類を食べる習慣が認知機能を守り、うつ病も防ぐことが報告されています。週に2回が習慣化されたら週に3回食べていると好ましいですね。
(3)間食には、みかん or バナナ
長時間の集中や作業後に、エネルギー補給が必須。適度な間食を取ることで、血糖値を安定させ、脳のエネルギー供給を維持できます。フルマラソンの長距離ランナーが水分補給をするように、脳が喜ぶ栄養補給をしましょう。
ただ、ここで、ビスケットのようなスナック菓子を食べることは糖質過剰になり、オススメできません。
脳のパフォーマンスを上げるという視点で、私のおすすめは、オフィスに持っていきやすいみかんや、バナナのフルーツ類です。
世界の疾病負担研究(GBD2019)によると日本人の食事による死因の3位は、フルーツの摂取不足。つまり、ポリフェノールやビタミンはじめとする
抗酸化成分の摂取が不足しているのです。
脳のエネルギー補給と、脳の劣化を防ぐためにも、間食にフルーツを
取り入れていきましょう。
■最後に
仕事のパフォーマンスをあげる健康マネジメントは食事、睡眠、運動、ストレスケアの4つの柱です。しかし、この中でもっとも取り組みやすいのが食事。なぜならば、1日に3回の選択の機会があるからです。
You are what you areという言葉があるように、私達は、食べたものでできています。今の食の選択肢を変えれば、脳のパフォーマンスは更に向上する可能性を秘めています。
次の食事から、少しずつ、脳が喜ぶ食事をしていきましょう。
健康マネジメントスクール
水野雅浩