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“なんか”を取り除く。森咲智美が語る解放の意味

中西正男芸能記者
30歳を目前に今の思いを語る森咲智美さん

 2018年、19年、20年と「グラビア・オブ・ザ・イヤー」で連続グランプリに選出され、殿堂入りを果たした森咲智美さん(29)。インスタグラムのフォロワーも500万人を超え、グラビア界のトップランナーとして走り続けますが、自らを頂に押し上げた「『なんか』を取り除く」思考とは。

“なんか”からの解放

 今年8月で30歳になるんです。

 これまでグラビアをやってきて、どうすれば皆さんに喜んでもらえるのか。それをひたすら考えて、多くの人に見てもらえるように突っ走ってきました。

 そんな中で後輩も出てきて、これまでみたいに「前だけ見て一直線に突き進む」というところから、少しは周りのことを見る余裕が出てきました。そんな自分の状況と30歳という年齢がちょうど重なっている感じがしています。

 女性として、そして人間としての説得力を持たせるためにはどうしたらいいのか。そこを強く考えるようになったかなと。

 グラビアの道を走ってきた自分だからこそ喜んでもらえるもの。上滑りにならないもの。それが何なのか。それを具現化したのが3月に銀座でオープンさせたメンズエステサロンだったんです。

 そもそも、私自身がコンプレックスの塊で昔から「私“なんか”が…」とことあるごとに思っていたんです。“なんか”という言葉を隠れ蓑に殻を破らない。前に進まない。挑戦することをあきらめる人間だったんです。

 変な言い方ですけど「自分なんてクソ」というか。「キラキラした芸能界に自分なんかの居場所はない」という考えが常にあって。とにかく自信がない。

 でも、そんな自分を応援してくださる方がいらっしゃった。その自信によって、今なんとかこの仕事ができている。本当にそうなんです。

 その感覚を何かの形で還元できないか。そんな思いがずっとあったんですけど、ずっと気がかりだったことがあったんです。

 撮影会でファンの方々と話していると「僕なんかが…」とおっしゃる方が実は多いんだなと。自分がその言葉にとらわれていただけに引っ掛かったのかもしれませんけど、よく耳にする気がしていたんです。

 私もそうさせてもらえたように、その気持ちを前向きなものに変えられないか。自分の場合、キーワードになったのは“自信”だったので、だったら自信がつくためには何があるんだろう。答えの一つとして思いついたのがエステだったんです。

 ただ、“なんか”という言葉を使ってきた人がエステみたいな自分を輝かせるところに行く。そのハードルの高さ、自分もよく分かります。だからこそ、初めての人でも気楽に行ける。とにかくそこに重きを置きました。

 もともとは男性を対象にしたサロンだったんですけど、そういう感覚で始めたからか、ありがたいことに今は女性からも「私も行けるんでしょうか」という声をいただけるようになって。現状としては男女とも対応する形になっています。

 この世界でできれば長くやっていきたい。そう思った時に、グラビアとして綺麗な体を維持していくことも大切だと思うんですけど、さらに大切なのは「得た経験をどう生かすか」。

 エステもその一つなんだと思いますけど、そこを考えないとダメなんだろうなと最近は特に思います。

迷いというリアル

 そして、30歳の女性としてきちんと見てもらえる説得力も身につける。それも大事だと思っています。

 細かいことかもしれませんけど、今さらながら車の免許を取ったのもその一つかなと。そうやって一つでも自分のパーツを増やしていく。それによって自分を拡充させていけたらなと思うんです。

 あと、そういったお話だと、本当に正直な話、今はインスタグラムの運用もいろいろ迷っているところがあるんです。

 ありがたいばかりですけど、今は500万人以上の方がフォローしていただいています。私の場合はこれまで“エロ”を中心にやってきたので、それを見るために来てくださっている“ライト層”も多いのかもしれません。

 そうやって多くの方が集まっていただいたのは本当に感謝しかないんですけど、ここからは人間としての私というか、女性としての私。そこの発信もしていった方が良いのかなと。

 実際、以前ならほぼ“エロ”のみの発信だったのが今は“エロ”“ファッション”“トレーニング”“エロ”みたいに織り交ぜながら写真を載せるようになっています。

 ただ、今はまだそこも定め切れていなくて。いろいろなお客さまが来てくださっているので、味を変えて「ヘルシー志向」にしたら、これまでの常連さんからは「味が薄くなった」と思われるかもしれない。逆に、最近私に興味を持ってくださった女性からするとこれまでの味は「濃厚すぎる」のかもしれない。

 でも、そうやって迷っているのも今のリアルですし、迷いながらも進もうとする。それが人間の幅や説得力になるのかなとも思っています。

 そして、これもリアルな話なんですけど…、この歳になると、かなりの努力をしないと体型が保てなくなってもきました。私の場合はお酒も大好きなので、ジムもしっかり行かないとあっという間に下っ腹が出てきますし(笑)。

 だからこそ、やっぱり何にしても頑張るしかないんですよね。「自分“なんか”」と変に卑下することなく真っ当に進む。これからもなんとか進み続けられるよう、もがき続けたいと思います。

(撮影・中西正男)

■森咲智美(もりさき・ともみ)

1992年8月12日生まれ。愛知県出身。高校時代、友人に誘われて行ったエキストラのアルバイトをきっかけにレースクイーンとして活動。その後、グラビアアイドルに転身し、2017年に発売したDVD「Virginal」はDMM.comの「アイドル動画 2017年年間作品ランキングベスト100」で1位を獲得した。さらに、18年、19年、20年と「グラビア・オブ・ザ・イヤー」で3年連続グランプリに選出され殿堂入り。インスタグラムのフォロワーは500万人を突破。今年3月には東京・銀座にメンズエステサロン「CLASS GINZA -PREMIUM BODY LOUNGE- 」を開業した。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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