【8月7日は立秋】本当の秋はいつから?今年の秋の気温は?温暖化で「秋」がなくなる!?:気象予報士解説
8月7日は暦の上で秋が始まる日、「立秋」です。
暦の上で…と言われても、実際には立秋を迎えても猛暑が続くため、秋になったという実感はありませんよね。
では、秋というのは正確にはいつから始まるものなのでしょうか?また、今年の秋の気温の見通しは??気象予報士が解説します。
秋の始まりは分野ごとに違った!
暦の上で秋が始まるのは、前述の通り立秋から、今年2024年の場合は8月7日からです。この日を過ぎたら、暑中見舞いは残暑見舞いになります。
一方、気象学では9月~11月を秋と定義しているため、たとえば「今年の秋の気温は平年を上回りました」という気象庁の報道発表における「秋の気温」は、9月・10月・11月の3か月間の平均気温を指します。
また、天文学では昼と夜の長さが同じになる「秋分」からが秋になるため、今年2024年は9月22日からが秋です。
秋の気温の見通しは
気象庁が発表している最新の3か月予報によると、このさき9月も10月も気温は平年を上回る見通し。
「やっぱりか…」と思われるところだと思いますが、高いのは気温だけではなさそうです。
降水量の見通しを見ると関東~九州の太平洋側や沖縄を中心に平年より多くなる可能性が高く、気温とともに湿度も高い「蒸し暑い秋」となる予想。
過ごしやすい日が少ない秋になるかもしれません。
また、台風や秋雨前線による大雨にも備える必要があります。
地球温暖化で「秋」はなくなる!?
地球温暖化によって秋に涼しくなるのが遅くなると、木々が紅葉するタイミングも遅れる…と思われるでしょうか。
実は、変化はそれだけでは終わらないかもしれないのです。
気象庁が全国各地で観測するカエデの紅葉日は10年あたり約3日のペースで遅くなっていて、統計がある1950年代以降、すでに20日ほど遅くなっています。
では、このさきも同様に遅れ続けるのかというと、そもそも「紅葉しない」という可能性も…。
というのも、木々が紅葉するのは、寒さに備え葉を落とす過程で副産物として葉の色が変わっているだけなので、もしあまり寒くならないのであれば落葉の必要がないのです。
実際、今まで紅葉していた木が近年紅葉しなくなったという目撃例は、各地で報告されています。
温暖化によって、気温の面で秋を感じられなくなるだけでなく、風物詩である紅葉も見られなくなり、「秋」がなくなってしまう日が近い将来やってくるかもしれません。
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