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ウクライナ軍、ロシア軍の侵略直後から多連装ロケットシステム600機を破壊「いつでも燃やし尽くします」

佐藤仁学術研究員・著述家
多連装ロケットシステム(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。

ウクライナ軍によると2022年2月24日から2023年6月10日までにロシア軍の多連装ロケットシステム(Multiple Launch Rocket System:MLRS)600機を破壊した。

ロシア軍が一方的にウクライナに侵攻してきてから1年以上が経ち、ウクライナ軍はロシア軍の輸送車を6400台以上、戦車3900台以上、歩兵戦闘車7600台以上、大砲3700門以上、ドローン3200機以上を破壊してきた。そのようななかで、多連装ロケットシステムの600機は他の兵器に比べるととても少ない。

ウクライナ軍は公式SNSで「ミサイルや砲弾(fire)をウクライナに送ってくれれば、いつでも燃やし尽くします」とアピールしていた。多連装ロケットシステムはウクライナ軍がミサイルや砲弾などで攻撃して破壊している。ロシア軍が侵攻開始した直後にはウクライナ軍はトルコ製の「バイラクタルTB2」という大型ドローンを使用していたので、「バイラクタルTB2」で多連装ロケットシステムを攻撃して破壊していた。

神風ドローンや小型民生品ドローンからの爆弾投下も行っている。爆弾を搭載しただけの小型民生品ドローンが突っ込んでいったり、爆弾を投下するだけでも多連装ロケットシステムを完全に壊滅することはできなくとも、一部分だけでも破壊してダメージを与えることはできる。多連装ロケットシステムのような高額で強度な兵器を安価なドローンで破壊するのはウクライナ軍にとってもコストパフォーマンスが高く効果的である。

▼ウクライナ軍の公式SNS「ミサイルや砲弾(fire)をウクライナに送ってくれれば、いつでも燃やし尽くします」

▼トルコ製大型ドローン「バイラクタルTB2」でロシア軍の多連装ロケットシステムを破壊するウクライナ軍

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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