この冬はスーパーエルニーニョ発生 日本で、世界で異常気象か
先月(9月)のエルニーニョ監視海域(南米ペルー沖)の海面水温は、基準値との差がプラス2.2度と過去3番目に高くなりました。今後も海面水温は上昇傾向で、この冬は大規模なエルニーニョ現象が発生するのはほぼ確実です。
すでに、オーストラリアではエルニーニョ現象の影響により、広範囲で雨が少なくなっています。この先も雨が降らず干ばつが深刻化した場合、日本では小麦の多くをオーストラリアから輸入しているため、さらなる物価上昇を招くおそれがあり、気がかりです。
札幌で初雪、東京都心は11度予想
今夜(21日)はこの秋一番の寒気が流れ込み、札幌市郊外では雪まじりの雨が降るでしょう。そのほかの各地も冷え込みが強まり、22日(日)朝は東京都心で11月上旬並みの11度となる見通しです。
この秋は気温が高いと言いながらも、急に強い寒気がやってきて、雪が降る寒さとなる。この先は気温が低くなるのか、それとも高いままなのか、どちらなのでしょう。
この冬はスーパーエルニーニョ
エルニーニョ現象はペルー沖の海面水温が(続けて)基準値よりも0.5度以上高くなることをいい、ピーク時でも1度を上回る程度です。しかし、この冬は2度以上高くなる予想で、非常に強いエルニーニョ現象(いわゆるスーパーエルニーニョ)となる見通しです。非常に強いエルニーニョ現象はこれまでに4回しかなく、最近では2015年~2016年があります。
この冬は8年ぶりにスーパーエルニーニョとなるのは確実でしょう。天気ノートで前回を振り返ると、2015年は年末になっても気温の高い日が目立ち、日本海側ではスキー場の雪不足が深刻になりました。新潟県妙高市ではスキーシーズンの安全を願う神事にあわせて、雪ごいが行われたことを思い出します。
この先一か月(10/21~11/20)は全国的に暖かい空気に覆われやすく、北日本ほど気温が高くなる確率が高くなっています。
大規模なエルニーニョ現象は地球全体を取り巻く風の流れ=ジェット気流を大きく変える可能性があり、より広範囲で異常気象が発生しやすくなると思います。
【お詫び】
2015年の雪不足の話題のなかで、長野県妙高市と書きましたが、正しくは新潟県妙高市です。確認を怠り、申し訳ありませんでした。
【参考資料】
気象庁:エルニーニョ監視速報(No.373)、2023年10月11日発表
気象庁:1か月予報(10/21~11/20)、2023年10月19日発表
米海洋大気庁(NOAA/CPC):EL NIÑO/SOUTHERN OSCILLATION (ENSO) DIAGNOSTIC DISCUSSION、12 October 2023
オーストラリア気象局(BoM):Climate Driver Update、El Niño active; positive Indian Ocean Dipole strengthens、10 October 2023