【京都市下京区】「光る君へ」ロスの方必読!平安文学研究者・山本淳子先生トークイベントレポート
12月15日、京都経済センターにて、朝日選書創刊50周年を記念した山本淳子先生のトークイベントが開催されました。
山本先生は、『源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり』をはじめとする、多くの平安文学関連の著書で知られる研究者です。
今回のイベントでは、山本先生の著書の執筆秘話や、平安文学の魅力について、たっぷりとお話を伺うことができました。
高校教員時代の葛藤と大学院への進学
山本先生は、大学卒業後、10年間高校教員として勤務されていました。
しかし、大学入試のための授業では、古典の面白さを生徒に伝えきれないことに、もどかしさを感じていたそうです。
「古典を断片的ではなく、まるごと伝えたい」という強い思いから、高校教員を辞め、京都大学大学院へ進学。
博士号を取得後、研究と執筆活動に専念する道を選ばれました。
『源氏物語の時代』執筆秘話
そして、ついに出版されたのが、『源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり』。
この本は、源氏物語の時代を、当時の天皇や貴族たちの視点から読み解く、斬新な試みで話題を呼びました。
イベントでは、執筆に至るまでの苦労や、編集者とのやり取りなど、興味深いエピソードをたくさんお話しいただきました。
なかでも印象的だったのは、東日本大震災が起こった際、源氏物語のエッセイを書くことをためらわれたというお話です。
「日本が大変なときに、悠長な…」という葛藤があったそうですが、「古典の日」宣言文に背中を押されたそうです。
宣言文には、「古典は、人間とは何か、生きるとは何か、という問いに立ち返らせてくれるもの」という一節があり、山本先生は、まさにその通りだと感じ、改めて執筆を決意されたとのこと。
古典の魅力を再発見
今回のイベントを通して、山本先生の古典に対する熱い思いや、研究者としての真摯な姿勢に触れることができました。
また、古典は単なる過去の遺物ではなく、現代社会を生きる私たちにとっても、多くの示唆を与えてくれるものであることを、改めて認識させられました。
朝日選書フェアで「光る君へ」ロスを乗り越えよう!
今回イベントの会場であった京都経済センターと同ビル1階の大垣書店 京都本店では、朝日選書創刊50周年を記念して、朝日選書フェアが行われています。
山本先生の著書4冊(朝日新聞出版)を買うことができます。
『平安人の心で「源氏物語」を読む』
『源氏物語の時代 一条天皇と后たちの物語』
『道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのか』
『枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い』
大河ドラマ「光る君へ」が最終回を迎え、ロスになっている方も多いのではないでしょうか。(筆者もそのひとりです…)
ぜひこの機会に、山本先生の著書を読んで、平安文学の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
引用:「古典の日」宣言
場所:
大垣書店 京都本店
京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78 SUINA室町 1F
地下鉄烏丸線「四条駅」北改札口
阪急京都線「烏丸駅」26番出口