【横須賀市】戦後79年慰霊を捧げる「戦没船員の碑」観音崎公園フィールドレンジャーの会の皆さんと訪れた
横須賀の情報を発信、うみちゃんです。
8月15日は終戦記念日です。終戦から79年目の夏を迎えます。
横須賀市内には数多くの忠魂碑、慰霊碑がありますが、本日は県立観音崎公園にある「戦没船員の碑」をご紹介します。
観音崎公園フィールド・レンジャーの会
今回、ご案内いただいたのは、観音崎公園フィールド・レンジャーの会の皆様です。
観音崎公園フィールドレンジャーの会は1996年に設立、無料で公園ガイドを実施しています。
メンバーの皆さんは、遺構や植物、地質、歴史などに深い知識と豊富な経験があります。ガイドをお願いするともっと観音崎の歴史や自然を深く知ることができますよ。
筆者は春に開催された『観音崎・走水の砲台巡りツアー』に参加しました。
砲座や弾薬庫、兵舎など遺構を巡りながら、歴史的な背景や遺構の構造などを丁寧に説明していただきながら、当時の横須賀に思いを馳せました。
今回は特別に観音崎灯台や戦没船員の碑を案内していただきました。
「戦没船員の碑」
観音崎公園の丘の上に「戦没船員の碑」があります。
昭和46(1971)年、公益財団法人殉職船員顕彰会によって第二次世界大戦で犠牲となった6万余人の戦没船員と、戦後海難などで殉職した船員の慰霊と平和への願いを込めて建立されました。
目に飛び込んできたのは、大きな壁とブロンズ像です。
高さ24mもある大碑壁は三角の帆を表現しています。
すぐ横には青年と人魚の像が設置されています。
ブロンズ群像についての説明はありませんが、筆者は海の中で彷徨う青年たちを人魚が優しく温かい光で包み込んでいるように見えて、涙が止まりませんでした。
太平洋に向かって作られた石碑には「安らかに ねむれ わが友よ 波静かなれ とこしえに」と刻まれています。
毎年、5月15日には全国から遺族の代表を招き、戦没・殉職船員追悼式が行われます。
浦賀水道、その先には太平洋につながる穏やかな美しい海を眺めながら、ご冥福を祈りました。
御製碑・御歌碑
敷地内には、天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)による戦没船員を悼み歌われた御製碑、御歌碑が建立されています。
天皇陛下(現上皇陛下)御製
戦日いくさびに逝きし船人を悼む碑の彼方に見ゆる海平らけし
(平成4年)
皇后陛下(現上皇后陛下)御歌
かく濡れて遺族らと祈る更にさらにひたぬれて君ら逝ゆき給ひしか
(昭和46年)
帆船進徳丸の左舷錨
戦没船員には、犠牲になった年少船員も多く含まれています。
「戦時特例によって海員養成所、商船学校、高等商船学校などの卒業年限が大幅に短縮されて乗船したこと、船舶の急激な喪失による船員の犠牲をカバーするため大量の船員養成が行われた」ためです。
敷地内には大正13年に神戸高等商船学校の練習船として建造された帆船進徳丸の左舷錨が展示されています。
帆船進徳丸は帆船練習船として約21年、汽船練習船として約16年間活動し、航海訓練を行いました。
第二次世界大戦で被弾を受け、1963年に廃船となりました。
筆者は観音崎公園フィールドレンジャーの皆さんに案内していただいたおかげで、「戦没船員の碑」や戦没船員の歴史的事実をより深く知ることができました。
改めて戦争で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。そして、世界の平和をただただ願うばかりです。
観音崎公園には貴重な遺構や豊かな自然が数多く残っています。
横須賀の歴史を学びながら、生きとし生けるもののすべての生命の尊さを感じる散策、皆さんも体験してみてくださいね。
観音崎公園フィールドレンジャー募集
県立観音崎公園パークセンターではフィールドレンジャーを募集しています。
新人研修を受講し、研修後は先輩レンジャーに付き添って案内をします。
興味がある方はパークセンターにお問い合わせください
取材協力:観音崎公園フィールドレンジャーの会の皆様、ありがとうございました。
神奈川県立観音崎公園
横須賀市鴨居4-1262
県立観音崎公園パークセンター
電話:046-843-8316
公式HP
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観音崎公園フィールドレンジャーの会
第2・第4日曜日:公園内の自然・歴史ガイドを開催
(7・8・12・1月はお休みです)
公式HP
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