携帯電話の買い替えをした世帯の実情をさぐる(単身世帯・二人以上世帯編)(2022年公開版)
多機能さから魔法のアイテムのような存在の携帯電話(スマートフォンと従来型携帯電話の双方)。世帯ベースではどれぐらいの割合で買い替えが行われているのか。内閣府の消費動向調査(※)の結果から、世帯種類別(単身世帯(世帯主のみ)と二人以上世帯(世帯が二人以上で構成))にその実情を確認する。
最初に示すのは、世帯種類別の買い替え率。
二人以上世帯の方が当然世帯単位の携帯電話数が多くなるので、買い替えの可能性も高くなる。結果として、買い替え世帯率も高くなるのはものの道理。二人以上世帯では2割台の割合で携帯電話の買い替えが行われている。直近2022年では2021年に続き、単身世帯でも2割に達したのが目にとまる。
続いてこれを買い替え理由で区分したのが次のグラフ。
単身世帯よりも二人以上世帯の方が「上位品目」による買い替えがされやすい傾向がある。子供がいる世帯では上位機種をせがまれたり、あるいは従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが容易に行われたりするからだろう。
最後は直近年における各種属性別の動向。
男女別では世帯種類を問わず女性の方が高い値が出る。世帯主年齢階層別では30~40代が高い値となり、それより年上は値が漸減する動きを示している(単身世帯の40代が低い値となっているのはイレギュラーな動きだろう)。
そして世帯年収別では低年収世帯で低めの値となるが、300万円以上では大きな違いは生じない。単身世帯でも年収による傾向だった動きは無い。
携帯電話は新機種の展開に伴う買い替え需要が大きいため、iPhoneの新機種発売やau、ドコモの参入といった大型のイベント発生時における買い替え状況の動向を見たいところだが、残念ながらデータは2014年分以降しか公開されていないため、今回のような形となった。今後新たな、携帯電話市場を大きく揺るがすようなイベントがあれば、それを反映した値が示されるに違いない。
また、新型コロナウイルス流行の影響で多くの携帯電話販売店では規制が取られる形となったが、少なくとも買い替えのデータに限ればその影響は生じていない。あるいは新規契約者に影響が出ているかもしれないが、今件データからはその実情は把握できない。
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※内閣府の消費動向調査
今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することで、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査は毎月1回実施され、その月の15日時点の状況が対象となる。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。
毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の買い替え状況」を今件精査では用いている。これは「対象品目を回答年度(今回の場合は2021年4月~2022年3月)に買い替えをしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果。つまり直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。新規に購入した場合や、買い替えが該当時期でなかった場合は回答に加わらない。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。