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NY原油27日:株価急伸で、原油相場も急反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比3.96ドル高

始値 38.96ドル

高値 42.75ドル

安値 38.95ドル

終値 42.56ドル

世界的な株価急伸を受けて、原油市場では安値是正の動きが強まり、急反発した。

アジア株高を受けて時間外取引から買い優勢の展開となり、欧州タイム入りと前後して40ドル台を回復した。その後は押し目買いと戻り売りが交錯する不安定な地合を強いられたが、ニューヨークタイムに入ると改めて買い圧力が強まり、一気に上げ幅を拡大している。4~6月期米国内総生産(GDP)改定値が市場予測を大きく上回ったことが、買い安心感を促した模様。特に、これまで急落相場が続いてきたこともあり、株価急伸をきっかけに売りポジションの当面の利益確定を進める動きが広がったとみている。

もっとも、中国リスクの有無にかかわらず国際原油需給の緩みに変化はなく、あくあまでもこれまでの急落相場に対する修正局面との理解で十分だろう。なお原油需給はリバランスを進める必要性が高く、本格的な上昇を支持することは難しい。期先に対する期近限月の下げ過ぎ感が意識され易いが、単純な自律反発局面と評価している。

WSJは、ベネズエラが改めて石油輸出国機構(OPEC)緊急総会の呼びかけを行っていることを報告している。これも本日の原油高の一因と言われているが、同国はかねてからアルジェリアなどと並んで減産対応の必要性を訴えており、新鮮味は乏しい。減産による価格低下で高コスト原油の退出を促すOPECの戦略は破綻気味だが、なおOPEC内で減産政策への転換に対する合意形成は進んでいない。

当先のサヤバランスからは大きく値崩れを起こす環境にはない。期近を更に押し下げていくには、期先の値下がりが必要不可欠であり、このまま当限から投機筋主導で急落展開までは想定できない。ただ、本日の上昇に関しては急落が続いていた株価が落ち着きを取り戻している反動との理解で十分であり、緩やかなペースで下値切り下げを打診する展開は維持されよう。特にドル高への回帰が見られると、原油相場全体の水準が一気に切り下がる可能性もある。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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