ジャパンキャンピングカーショー2024に見る、日本のキャンピングカーの最新トレンド
ジャパンモビリティショー2023でも東の8ホールはキャンピングカーエリアとして、国内外のキャンピングカーが集められて展示されていた。キャンピングカー好きだけでなく、コンセプトカーや国産ニューモデルを目当てに来場したクルマ好きも、ついつい興味本位で覗いてみた方も多かったのではないだろうか。
それから早3ヶ月、今度はジャパンキャンピングカーショー2024が幕張メッセで開催された。メッセの1から5ホールまでを使った日本最大級のキャンピングカーの展示会だ。
筆者はこのところ毎年(コロナ禍による中止を除く)、このイベントを取材しているが、第二次キャンピングカーブームと言われる昨今でも、トレンドは常に動いている。昨年も取材していて感じたのは、軽トラックや軽バンをベースとしたキャンピングカー(通称軽キャン)は一頃より人気が落ち着いているようだ。
もちろんバックオーダーを抱えているビルダーもいるだろうし、すでに納車されてキャンパーライフを楽しんでいるオーナーはたくさんいる。ある程度必要なユーザーの手に渡ったから、需要が一段落しているといった状況のようだ。
それに軽キャンオーナーの中には、ある程度利用したことから、グレードアップを目論んでいるオーナーも多いようで、それら乗り換え希望組もキャンピングカーショーの賑わいを高めている。取材は金曜日と平日だったこともあり、時間に余裕のあるキャンピングカーファンが会場に訪れていたが、そうした人々はキャンピングカーの仕様を熱心にチェックしていた。
フィアット・デュカトベースが急増の印象
会場内を歩いていて、目立ったのはフィアット・デュカトをベースとしたキャンピングカーがかなり増えていることだ。昨年も増えている印象だったが、今回はさらに増加している印象を受けた。
ベース車の供給が安定してきて、デモカーを製作する余裕が出てきたことと、輸入も本格化しているのが理由のようだ。
国内大手のキャンピングカーメーカーであるトイズファクトリーが昨年から国内でキャンピングカーを製造し販売するだけでなく、ドイツのキャンピングカーメーカー、ハイマーグループの販売代理店となりユーロトイズのブランドでデュカトベースのキャンピングカーを持ち込み、ズラリと展示していた。
キャンピングカーオーナーの高まる高級志向、大型志向に対応するため、海外で生産する大型キャンパーの輸入販売に本格的に乗り出したのだ。
また1BOXベースながらキャブコンのキャンピングカーを製作するビルダーが増えている印象だ。これはハイエースのボディをBピラーから後ろをカットして、後部を完全に作り替えているという、非常に凝ったもの。
従来から存在していたが、今回はより多くのビルダーが手がけるようになった印象だ。ハイエースをベースとしているとは思えないほど堂々としたスタイリングと広々したインテリアは魅力的だが、ハイエースとは思えない価格(1500万円〜)になってしまうという難点もある。
今年はそんなハイエースのキャブコンに加えてまた一つ、新たなパターンのキャンピングカーがお目見えしている。それはSUTベースのキャブコン。
SUTとはスポーツユーティリティトラックの略で、4WDのピックアップトラックのことだ。米国の雨の少ない地域では税金の安さもあって、ピックアップトラックの人気が高い。
そんなアウトドアテイストな車両をベースに車体後部をキャンピングカーに作り替えているのだ。ルーフパネルを切り取ってハイルーフ化していることもあり、想像より室内は広く快適そうに見える。
泊まるのは車内で、BBQやアウトドアスポーツを楽しむユーザーにはこれは最高のクルマではないかと思わされた。
日本の都市部での取り回しを考えた、普段使いできるバンコンも人気で、レトロなテイストに仕上げたハイエースのほか、日産のキャラバンやハイブリッドのセレナをベースにした仕様も登場している。
今年の来場者数は4日間合計で4万6000人余りと、前回の5万1000人余りから微減という状態。しかしキャンピングカーユーザーは確実に増え続けており、欧米とはスタイルは若干違っても、キャンピングカーで旅を楽しむという文化は着実に日本にも根付いているようだ。