2012ロンドンのレガシーの中心地でパラ水泳世界選手権が開幕。1日目・日本惜しくもメダルなし!
パラリンピック史上最高の演出と言われるロンドンパラリンピック。そのレガシーの中心地ロンドン・アクアティクスセンターでIPC(国際パラリンピック委員会)主催のパラ水泳世界選手権が開幕した。もとはクチン(マレーシア)で開催される予定だったが開催国の政治的事情により中止となり、代替え地として決まった会場である。急ごしらえの大会ながら特別な開催地であり、世界中から多くのメディアがロンドンパラリンピックの記憶を呼び覚ます大会に注目している。
1日目は4つの世界記録が更新されパラリンピック1年前の世界の成長を予感する1日となった。ロシアが4つの金メダルを含む11個、開催国イギリスが金メダル3個を含む11個のメダルを獲得し80カ国の頂点に立つスタートとなった。ロシアは2016年リオパラリンピックからドーピング違反問題に関する出場資格停止処分を受けていたが、今年2月に解除され今大会からパラ水泳にも復帰した。
日本代表は予選9名が出場し決勝に4名がのこったが期待されたメダル獲得には至らなかった。
男子50m自由形S11で木村敬一(東京ガス)は予選を26秒77/4位で通過、決勝は26秒57とタイムを上げたが、自己ベストの26秒47には届かず、4位。メダルを逃した。
「記録的に満足のいくレースではなかった。上3人はリオにはいなかった選手で、世界が上がってきたのを感じる。ウォーミングアップの状況もよく、ベストを狙えると思っていた」また、タッパーがベテランの寺西真人氏ではないことについて記者が質問すると「積み上げてきたものが違うが、どういう状況でもできるよう準備してきた。言い訳にはしたくない」と話した。
また、女子50m自由形S11をメインとする石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)は予選32秒10/3位で通過し決勝でも31秒69とタイムを上げることができたが4位と悔しい結果に終わった。
「決勝へのタイムが挙げられたのはよかったが、メダルに組み込めなかったのは、タッチ、コースロープへの引っ掛かりなどで焦りがでたこと。50メートルはあっという間なので少しの呼吸の乱れが影響する」と記者の質問に答えレース後の振り返りをした。「良いタイムが出たが、残念だった」と峰村史世日本代表監督も話していた。
女子50m自由形S5に出場した成田真由美(横浜サクラスイミング)も予選8位決勝でも順位は上がらなかったがタイムは縮めるおよぎを見せた。チームの中でベテランの成田だが世界選手権のは以外にも初出場だった。
「気持ちよく泳げたが、力及ばず、(予選16人という)人数も多く世界のタイムが上がってきたのを感じた。自分のメインは50m背泳ぎだが明日の200m自由形の後は3日開くので仲間の応援にも回りたい。自分が泳ぐことで後輩の手本になれば嬉しい」と話していた。
女子400m自由形S13に出場した辻内彩野は決勝でい自己ベストを更新した。パラ水泳の選手となり初めての世界選手権を楽しむよう心がけた。
「予選泳いだ後、振り返って、気持ちの面をケアしながら(決勝を)泳ぎました。これから一番きつい300mですよ、とか、自分に言い聞かせて泳ぎました。この種目はあまり得意ではありませんが楽しめたと思います。この種目を泳ぐ機会があると、これからに向けてのウォーミングアップになると思います」と話していた。
9月10日・大会2日目は、鈴木孝幸の男子100m自由形S4での金メダルが期待されるほか、200m自由形S5に成田、女子100m背泳ぎS11に石浦、男子100m背泳ぎS14に山口尚秀が出場する。7日間の戦いの幕がひらかれた。
<参考>
公式情報(IPCスイミング)
https://www.paralympic.org/london-2019
公式情報(プリティッシュスイミング)
https://www.britishswimming.org/london-2019-world-para-swimming-championships/
(取材:PARAPHOTO2020取材準備室)