リブゴルフから消えたはずの谷原秀人が第6戦に登場。「戻ってきたオンリー・ジャパニーズ」が話題に!
タイのバンコクで開催されるリブゴルフ第6戦(10月7日~9日)の試合会場ストーンヒルGCに、リブゴルフから去ったと思われていた谷原秀人が姿を現わしたことで、米メディアは大いに驚かされ、「オンリー・ジャパニーズ」に大いなる興味を示している様子だ。
米スポーツイラストレイテッド誌の熟練ゴルフ記者、ボブ・ハリッグ氏は、練習場で谷原が語った内容を詳細に報じている。
谷原はリブゴルフの初戦、第2戦、第3戦に出場していたが、米ボストンで開催された第4戦の出場者リストからは、彼の名前が突然消えた。同時に、木下稜介、香妻陣一朗、稲森佑貴の名前も消え、彼ら4名で構成していた「オール・ジャパン」チームは壊滅したと報じられた。
日本人4名が突如、姿を消した理由として、米メディアは2つの可能性を挙げていた。
1つは、リブゴルフへの移籍の噂が出回っていた松山英樹が、移籍を正式に拒絶したことで、リブゴルフ側の怒りや不快感が日本人4名に向けられ、「追い出された」という見方。
もう1つは、第4戦からキャメロン・スミスなど6名のPGAツアー選手がリブゴルフに新規で移籍することになったため、代わりに日本人4名や他の4名が「押し出された」という見方。
いずれにしても「日本人4名がリブゴルフに戻ることはないだろう」とツイッターで発信していた米メディアもあった。
さらには、リブゴルフに参加した日本ツアーの選手はZOZOチャンピオンシップなどのPGAツアーの競技に(今年は)出場できないことがPGAツアーからJGTO(日本ゴルフツアー機構)へ確認・通達されたことで、帰国した日本人選手4名がリブゴルフに戻ることは「きっとない」と、米メディアは確信していた。
その後、JGTOはリブゴルフに対する姿勢を記した声明を初めて発表。PGAツアーに出ることを望む選手に対しても、リブゴルフに出場したいという選手に対しても、「JGTOはどちらもサポートするつもりだ」という中立的な姿勢を示したばかりだ。
そんな経緯があった直後の今、リブゴルフの会場で谷原を目にしたハリッグ記者らは首を傾げ、谷原に次々に疑問をぶつけた様子だ。
通訳を介して返答した谷原は、自分たち4名がリブゴルフ第4戦に出場せずに帰国したことと松山がリブゴルフ移籍を拒絶したことは「関係ない」と明言。そして、リブゴルフから追い出されたわけではないと答えたそうだ。
JGTOにはPGAツアーを目指している選手たちもいることから、谷原らはスポンサー企業の意向やJGTOの姿勢や方針を確認する目的で、一旦、帰国。しかし、JGTOの方向性が見えてきたため、リブゴルフに戻ってきたことを谷原は説明。第4戦と第5戦の両方を欠場したのは「単に時間的余裕がなかった」とのこと。
さらに谷原は、リブゴルフに批判や非難が向けられることが「理解できない。何が悪いのかわからない」と話したという。
谷原は、タイガー・ウッズも高額のアピランスフィーを受け取って他のツアーの大会に出ていたことを例に挙げ、そうした例と高額のお金をもらってリブゴルフに出ることの「何が違うのか、わからない」とも語ったそうだ。
PGAツアーのメンバーではない自分たち(日本ツアー選手)がリブゴルフに出たことで、PGAツアーからPGAツアー競技(ZOZOチャンピオンシップ等)への出場可否を左右されることに、谷原は「納得がいかない」と話し、少なくともロンドンの初戦に出場する以前に、そういう事態になることは「何一つ聞かされていなかった」と打ち明けた。
「タニハラは、不平不満をぶちまけているのではなく、本当にわからなくて困惑しているという様子だった」と、ハリッグ記者は記している。
谷原は第6戦に続き、サウジアラビアで開催されるリブゴルフ第7戦にも出場する意向を示しており、今後も我が道を進んでいこうとしている様子である。
それは、もちろん谷原の自由であり、彼の正当な権利の行使である。しかし、選手会を率いる立場にあり、他選手やスポンサー企業への影響力も大きい彼だからこそ、是非ともリブゴルフにまつわる「わからない」を解明すべく行動していただきたいと、私は秘かに願っている。