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「取ってこい」ができるのだが、毎回絶妙に惜しい結果になるうちの猫

藤緒ミルカエッセイ漫画家・イラストレーター

我が家に3匹いる猫の一番年下の黒猫、朔ちゃん。彼は現在6歳、人間で言うと40歳あたりということになる。人間の40歳というと孔子の言葉によれば「惑うことがなくなる」という、あの40歳だ。

猫の年齢を一概に人間で言うと…などと換算して考えるのもちょっと違う気はするが、それにしても朔ちゃんはいろいろ幼い。人間の6歳でももう少ししっかりしてそうと思わせるくらいである。しつこいくらい甘えてきたり、寝るときには絶対密着してきたりと、子育てがひと段落した私の母性が満たされて仕方ない。

そして遊びも大好きで、今も容赦なくお誘いを受けるのだ。

犬と遊ぶ時よくやってるのを見る「とってこい」。猫はあまりこの「とってこい」はしないとされているが、うちの猫はやる。おもちゃ(と言ってもチラシを丸めただけの棒だが)を投げると嬉々として追いかけて持って来てくれる。さぁもう1回投げて!と言わんばかりに取ってくる。

ただ、手元まで持って来てはくれない…実に惜しい。

手を伸ばすと掴めそうで掴めないような微妙な距離感のところにポトっと落として「取ってきたよ!」と言う顔をして待っている。せめてもうちょっとこっちに…と思わせるところが惜しいのだ。

自分は動かずにそのおもちゃを手に取りたい私は「もう少しこっち!持って来て」と言ってみるがそのお願いは聞いてもらえず、更に違う棒を探し持って来て、同じく絶妙に届かない場所にまた落とすのである。そして「さぁ、投げて」と走り出すスタンバイをして待っているのだ。

もうこれは重い腰をあげて私が取りに行くしかなかろう。

こんなことを繰り返してるから、朔ちゃんの中では「丁度届かない場所に持ってくる」と言うのが遊びのルールになっているのかもしれない。

誰だそんなことを教えたのは。私か。

エッセイ漫画家・イラストレーター

猫が大好きで3匹と暮らしている、猫溺愛妖怪です。毎日猫に適度に振り回されながら漫画を描いています。この愛すべきツンデレをアナタに伝えたい。

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