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ノーマンの新ツアー初戦の出場者リスト発表。ガルシアらが出場。ミケルソンの名前はなく、日本人は3名出場

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

 グレッグ・ノーマン率いるサウジアラビアの新ツアー「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」の初戦はロンドンのセンチュリオンGCで6月9日から11日に開催される予定だが、その出場者リストが予定より5日も遅れて公表された。

 出場が予想されていたフィル・ミケルソンの名前が載っていないことは、予想外だが、開幕直前に追加される可能性は、あるという。

 そして、出場者リストには、予想外だった数人の選手の名前もあり、日本人選手3名の名前も含まれていた。

 一番の予想外は、出場者リストに元世界ナンバー1プレーヤー、ダスティン・ジョンソンの名前が載っていたこと。米国のゴルフ関係者は驚きを隠せない。

 そもそもジョンソンは、サウジ・インターナショナルがDPワールドツアー(欧州ツアー)の大会として開催されていたころから、サウジにおけるゴルフに好感を抱いており、同大会で2勝を挙げている。

 だが、ノーマンによるリブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ創設の動きが活発化し、米欧両ツアーとの対立関係が際立ち始めた今年3月、「僕の主戦場はPGAツアーだ」とする声明を出し、PGAツアーへの忠誠を誓っていた。それだけに、今回の出場は予想に反するものとなる。

 すでに米欧両ツアーは、ツアー・メンバーである選手たちがリブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズの大会へ出場する許可を「出さない」、つまり出場は許可しかないことを決めており、出場許可申請が却下された上で、それでもロンドンでの初戦に出場するとなれば、ジョンソンは本来の主戦場であるPGAツアーからメンバーシップの停止などの処分を科せられることになると見られる。

 ジョンソンだけではない。今回のロンドン初戦の出場者リストに名前が載っているのは、元々、出場が予想されていたセルジオ・ガルシア、リー・ウエストウッド、ルイ・ウエストヘーゼン、イアン・ポールター、ケビン・ナ、テイラー・グーチといった選手たち。

 さらに、グレーム・マクダウエル、チャール・シュワーツェルなどメジャー・チャンピオンも含まれている。

 日本ツアーの選手、谷原秀人、木下陵介、香妻陣一朗の名前もある。

 リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズは、初年度の今年は年間8試合が開催される予定だが、来年は10試合へ、2024年は14試合へ拡大されることが、すでにノーマンによって発表されている。

 今年のロンドン大会の優勝賞金は4ミリオン(400万ドル=約5億2000万円)。予選落ちはなく、出場するだけで12万ドル(約1560万円)が保証されている。

 稼いでナンボのプロゴルファーと考えれば、これもプロとしての選択と言えないことはない。だが、お世話になったツアーに対する恩義や感謝より「お金がすべて?」と問われたとき、彼らに反論の言葉は、果たして、あるのだろうか。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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