実はオイルじゃなかった!? ブレーキフルードの正体
ブレーキオイルはオイルじゃない、ってご存じでしたか?
「ブレーキオイルはオイルじゃない」と聞いて驚いた方もいるのではないでしょうか。筆者も長年誤解していましたが、ブレーキオイルは実際にはオイルではなく、「ブレーキフルード」と呼ばれる液体なのです。名前に「油」が入っているため混乱を招きますが、この際、ブレーキフルードの正体を一緒に学んでみましょう。
●ブレーキオイルはオイルではない
結論を言えば、ブレーキオイルはオイルではなく、正しくは液体、つまり「ブレーキフルード」と呼ばれるものです。
しかし「油圧ディスクブレーキ」という名前のため、これをオイルと呼ぶ方も多いのが実情です。実際に「ブレーキオイル」で検索しても購入できますが、正確には「フルード」と覚えておきましょう。
●ブレーキフルードの主成分とは?
では、そのブレーキフルードの主成分とは? それは「グリコールモノエーテル」と呼ばれる物質で、これはオイルではありません。グリコールモノエーテルは高い沸点を持ち、ブレーキの過熱による沸騰を防ぎます。さらに吸水性に優れ、ブレーキシステム内の水分を吸収し、腐食を防ぐ効果があります。ゴム製のシール類にも影響を与えないので、まさにブレーキ液として最適な成分です。
ただし、古い車両には鉱物油系のブレーキ液も使用されており、これは「ブレーキオイル」と呼んで差し支えありません。ややこしい話ですが、現代の主流はグリコール系です。
●ブレーキフルードに求められる性能
ブレーキフルードには、粘性が低く、温度変化に強いことが求められます。低温でも凍結せず、高温でも沸騰しない性能が必要です。安全に関わる重要な部品を支える液体ですから、代用品などは絶対に使わないでください。
●オイルを使った場合のリスク
逆に、エンジンオイルなどの鉱物油を使うとどうなるか? おそらく「ベーパーロック現象」を引き起こし、ブレーキが効かなくなる危険性があります。オイルと水は混ざらないため、水分が沸騰して油圧が伝わらなくなり、非常に危険です。
●廃棄方法も重要
ブレーキフルードの廃棄は、オイルとは分けて行う必要があります。エンジンオイルと混ぜるとリサイクルができなくなるため、必ず分別してください。少量なら布に吸わせて燃えるゴミに出すか、プロに交換を任せるのが安全です。
●まとめ
いかがでしたか? ブレーキフルードはその特性から、長期間にわたり安定したブレーキ性能を提供しますが、定期的な交換が必要です。この記事が皆様の参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。