接近する台風4号。気象庁の意図
21日午前5時現在、台風4号は東シナ海を東へカーブし、九州へ接近しています。予想進路は、きょう21日の午後に九州を横断して、夜にかけて四国沖、紀伊半島沖へ進むとしぼられてきました。
( 最新の台風予報:Yahoo!天気・災害)
台風4号はすでに雲の形が崩れ、さらにこのあとは水温の低い海域を進むため、いっそう台風としての勢力は保ちづらく、温帯低気圧化していく見通しです。
ただ、日本に接近中の場合、気象庁は意図的に「台風」として延命させていると思われることがよくあります。過去には、上陸と発表された台風が、後日の解析で「もう台風ではなかった」と取り消しになったこともあるくらいです。
これには賛否両論ありますが、「接近中は、気を抜かずに備えていただきたい」という意図は理解できます。
今回の4号に関しても、台風として上陸するしないにかかわらず、備えることには変わりありません。台風らしい暴風を吹かせる感じではないですが、それでも強風や高波、大雨に気を抜けない状況です。
特に雨に関しては、台風としての形は崩れても、もともとは亜熱帯の空気でできた積乱雲の集合体ですから、亜熱帯的な激しい雨を降らせる力は十分に持っています。
すでに西日本では、梅雨前線によって大雨となった所があり、ここに台風4号の直接的・間接的な雨が加わると、きょう21日は、いっそう危険な状態になってきます。
前回も書きましたが、西日本と言っても、全域で大雨が降るわけではありません。必ず降り方に偏りが出てきます。災害級の大雨となるのは限られた地域ですが、今回はそれが自分の所かもしれません。
気象レーダーやアメダスで周辺の雨量を見るだけでも、大雨の危険は把握できます。きょうは、いつも以上に「知る」ことに力を入れていただければと思います。