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HSPセルフチェック!当てはまるとHSPな特徴と気質とうまく付き合っていく方法

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

「他人の言動が気になる」「他人に流されやすい」「人混みがあるところへ行くと体調を崩してしまう」という悩みを抱えていませんか?

環境や他人に影響を受けやすいという特徴を持っている人は、HSPの気質を持っている可能性が高いです。

HSPの人は、ささいな刺激や他人の感情に影響されることが多く、自分でも気付かないうちに疲れやすさを感じて落ち込みやすい傾向があります。

今回は、HSPの自己診断チェック方法や、HSPの悩みを解消するためのポイントについてご紹介します。

HSPは疾患ではなく気質

HSPの生きづらさを解消するためには、HSPについて正しい知識を得ることが大切です。

HSPとは環境感受性・感覚処理感受性が高い人のことで、疾患ではなく本人が持っている気質なので、医師が診断・治療をすることはできません。

次の項目で、環境感受性と感覚処理感受性について詳しく説明していきます。

環境感受性

環境感受性とは、環境によって良くも悪くも影響を受けやすい特性を表します。

これは人間だけではなく殆どの生物が持っている基本的な特性で、さまざまな環境に適応して生きていくために必要なものです。

同じ環境下に置かれても影響を受けない人もいれば、影響を強く受ける人もいます。

たとえば、ネガティブな環境に置かれたときにストレスを強く示す人もいれば耐えられる人もおり、環境感受性の度合いには個人差があるといわれています。

感受性についておこなわれた研究では、感受性の個人差は遺伝子レベルが関係していることが分かっています。

感覚処理感受性

感覚処理感受性は、環境の刺激に対する感受性の高まりに関わる気質・性格を表す概念です。

「認知的処理の深さ」「刺激に圧倒されやすい」「情動的な反応、共感性の高まり」「ささいな刺激に反応する」という4つの特徴があります。

HSPとは、これらの特徴を持っている感覚処理感受性が高い人たちのことを指します。

感覚処理感受性はさらに、「易興奮性」「低感覚閾」「美的感受性」という3つの性質を持っています。

易興奮性は内的・外的の刺激によって圧倒されやすいことで、低感覚閾はささいな刺激に対する感受性の高さを表し、この2つの性質はネガティブな感受性と言われています。

それに対して美的感受性は芸術や音楽などの刺激に対する影響の受けやすさを表すので、ポジティブな感受性と言われています。

HSPの自己診断チェック方法

下記に敏感さを自己診断する方法として、HSPの特徴を挙げています。

これらの項目に当てはまるものがある場合、HSPの気質を持っている可能性があります。

・外部からの刺激(音・光・においなど)に敏感

・他人の感情や意見に影響されやすい

・ささいなことまでよく気が付く

・日常的に受ける刺激によって疲れやすい

・人混みや騒がしい集まりが苦手

・ひとつの物事に集中するのは得意だがマルチタスクは苦手

・感受性が高い方だと感じる

上記に挙げた項目に多く当てはまる人は、もしかするとHSPかもしれません。

これらの項目は医学的な診断ではなく、敏感さを知るための自己診断チェックリストです。

多く当てはまったからといって悲観せずに、自分の気質・性格だと捉えてうまく付き合っていきましょう。

HSPは良くも悪くも影響を受けやすい

HSPの気質を持っている人は感受性がとても高いので、身の回りの環境に良くも悪くも影響を受けやすいです。

影響を受けやすい人というのは良い意味で捉えると、他人の意見を取り入れて物事に対して柔軟に対応できるという長所を持っています。

他人の良い所を吸収したり、自分より相手を優先することができるため、争いを起こさずに最善策を見つけることができます。

逆に影響を受けやすい人の短所は、自分の行動が他人の意見によって左右されてしまうため、「自分を持っていない人」という風に見られてしまう可能性が高いことです。

HSPの人は影響を受けやすいことによって、他人に振り回されてしまいがちなので、長所と短所を理解した上でうまくこの特徴と付き合っていく必要があります。

HSPの人が影響を受けやすい状況

他人のネガティブな感情や意見に流されやすい

HSPの人は感受性が高いので、他人の感情や意見に流されやすいという特徴があります。

他人からネガティブな愚痴を聞かされることでストレスが溜まり、体調を崩してしまうこともあります。

最初は大丈夫でも聞いていくうちにネガティブな感情が蓄積されて、自分まで愚痴っぽくなってしまったりネガティブな思考の癖がついてしまったりします。

真面目な性格と共感性を併せ持っているHSPの人は、「しっかり聞かないと」という気持ちで相手の愚痴に付き合ってしまうことが多いかと思いますが、自分の心に悪い影響を受けてしまう恐れがあるので注意が必要でしょう。

SNSやニュース番組に影響を受けやすい

現代ではSNSの普及に伴って、さまざまな情報が効率よく手に入るようになりました。

しかしそれによって、ネガティブな影響を受ける人も増加傾向にあります。

HSPの人は感受性が高いので、SNSやニュース番組からの刺激に特に影響を受けやすいと考えられています。

SNSはさまざまな情報や他人の発言が流れてくるのでとても便利ですが、ふとしたときに誹謗中傷のコメントが目に入ってきたり、見たくない情報まで見てしまうこともあります。

自分が言われているわけではないのに、批判や中傷コメントを見て気分が悪くなることもあるでしょう。

また、ニュース番組でも事件や災害などの感情を揺さぶるような情報が目に入ることで、ネガティブな影響を受けることがあります。

影響を受けやすい性格を改善するポイント

他人と上手に距離をとる

ネガティブな話題や愚痴ばかり言う人を避けようと思っても、オフィスやサークルなどの付き合いで頻繁に顔を合わせなければならない人もいますよね。

完全に付き合いを断ち切ることは難しいかもしれませんが、「ネガティブな発言を繰り返す人とはなるべく距離をとる」という考え方にシフトしていくことがおすすめです。

「距離をとる」というのは物理的な意味合いだけではなく、会話の中でネガティブな話題を受け流す・避けるというのを意識することです。

HSPの人は共感性がとても高いので、ネガティブな会話にもつい同調してしまい、後から自己嫌悪に陥ることもあるのではないでしょうか。

そういうときは、同調や同意は絶対にしないことが大切です。

最初は難しいかもしれませんが、話題を意図的に変えたり、あえて冷静な反応を返したりして、相手と距離をとるようにしましょう。

自分の感情や体の反応に素直になる

環境や他人に影響されやすいHSPの人は、「自分の感情や体の反応に素直になる」という考え方を意識してみてください。

HSPの人は頭のなかで色んなことを深く考える傾向がありますが、時には自分の感情に素直になる方が物事を正しく判断できることもあります。

「このニュースは嫌な気持ちになる」「この人と関わると疲れる」などといったネガティブな感情が湧いてきたのであれば、サインを見落とさずになるべくその出来事を避けるように行動を変えていきましょう。

逆に、「わくわくする」「この人といると前向きになれる」というポジティブな感情にも目を向けることが大切です。

まとめ

今回は、HSPの自己診断チェックと影響を受けやすいHSPの人の悩みを解消するポイントについて紹介しました。

HSPは環境感受性と感覚処理感受性がとても高い人のことを指す気質で、病気ではありません。

治療できるものではないからこそ、自分の気質を正しく理解してうまく付き合っていく必要があります。

他人から影響を受けやすい人は、HSPの観点から「どうすればネガティブな影響を受けずにより良い生活が送れるのか」について一度考えてみると良いでしょう。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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