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新成人が考える「カーライフするのなら出せるのはこの金額まで」の実情をさぐる

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ お金の若者離れ。カーライフのそろばん勘定は。(ペイレスイメージズ/アフロ)

・新成人における「車がある生活」をするのに一か月にかけられるお金の上限は平均17331円。

・車所有者は上限が高め、免許を取得する予定が無い人は低め。

・車所有者の上限は大よそ減少する傾向にある。

自動車を所有し利用するにはさまざまな費用が必要になる。購入時の自動車本体代、保険料、駐車場代、各種整備費用、ガソリン代、そして車検代。車が生活の上で必要不可欠な人も少なくないが、それゆえにコストの存在に頭を痛めている人も多い。このコストについて新成人ならば、どこまで許容できると考えているのだろうか。ソニー損害保険が2018年1月に発表した調査報告書「2018年 新成人のカーライフ意識調査」(※)から実情を確認する。

行動範囲を広げ、生活に機動力を与えてくれる自動車だが、その対価としてさまざまな経費が求められる。定期的に発生する費用に関して、いくらぐらいまでなら我慢できると新成人たちは思っているのだろうか。見方を変えれば「この額を超えるとカーライフはあきらめざるを得ない」と読むこともできる。

↑ 「車がある生活」をするにあたり一か月でいくらまでならかけられるか(2018年新成人対象、自由回答)
↑ 「車がある生活」をするにあたり一か月でいくらまでならかけられるか(2018年新成人対象、自由回答)

最大回答区分は1~5000円で27.5%、やや値を落として5001~10000円、そこからさらに下がって10001~20000円が続く。1円も出せない、つまり実質的にカーライフは過ごしたくない、過ごさなくてもよいとする人も7.6%いる。必要性を感じない生活環境にあるか、あるいは同居世帯、例えば親世帯にすべて任せるとの考えなのかもしれない。

中には5万円超過でも大丈夫の人も少数ながら確認できるが、大よそ1万円から2万円程度が許容範囲。全体平均は1万7331円となっている。よくある例え話で持ち上がるたばこ価格で換算すると、大よそ39箱分である(メビウス、440円で計算)。1日1.3箱近く。

この平均額について免許証や車そのものの所有状況別で確認したのが次のグラフ。新成人における車の必要性の実情がよく出る結果となっている。

↑ 「車がある生活」をするにあたり一か月でいくらまでならかけられるか(2018年新成人対象、平均額、円、属性別)
↑ 「車がある生活」をするにあたり一か月でいくらまでならかけられるか(2018年新成人対象、平均額、円、属性別)
↑ 「車がある生活」をするにあたり一か月でいくらまでならかけられるか(各年新成人対象、平均額、円、属性別)
↑ 「車がある生活」をするにあたり一か月でいくらまでならかけられるか(各年新成人対象、平均額、円、属性別)

直近分となる2018年分を見ると、車を所有している人は当然高く、持っていない人はそれより低いものの、免許証を保有している・取得予定の人はそれなりに高い値が出ている。他方、免許を持たず取る必要も無いと考えている人は、一段と低い値に留まっている。

他方経年変化で見ると多少のぶれはあるものの、車は持っていないが免許を持っている・持つ予定がある人は大よそ横ばいだが、車所有者は値が減少する傾向にある。お財布事情が厳しくなり、車利用に割り当てるコストも減らさざるを得ないと読み解くことができよう。

果たして自動車関連企業は現在の新成人に対し、毎月2万円近くの出費に値する価値を提供し得る自動車や各種サービスを提案できているだろうか。自動車そのものだけで無く、利用者が日々生活する周辺環境全体を見つめ直し、考える必要があるに違いない。

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※2018年 新成人のカーライフ意識調査

2017年11月30日から12月7日にかけて2018年の新成人男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1。調査実施機関はネットエイジア。今件調査における「都市部」とは、市・区における人口ランキングの上位都市(1位から8位)である、北海道札幌市、東京都23区、神奈川県横浜市、愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市、兵庫県神戸市、福岡県福岡市。それ以外はすべて「地方」。過去の調査もほぼ同条件で実施されている。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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