アップルの今後を示す第4四半期発表
アップルの2013年度 第4四半期の決算発表があった。
http://www.apple.com/pr/library/2013/10/28Apple-Reports-Fourth-Quarter-Results.html
アップルの会計年度は 10月から新年度となる。
まずは、2013年度の通期(2012年10月〜2013年09月)から見てみよう。
※便宜上対ドル円を100円、増減率を100%で表記
売上 1709億1000万ドル 17兆 910億円
日本市場でこの規模を比較すると、日本のスーパーマーケット産業全体の18兆2587億円(2011年度)に近い売上げだ。
アップルたった1社で、日本全国にあるスーパーマーケット産業全体の年間売上に迫ろうとしているのだ。
つづいて、純利益は、
純利益 370億3700万ドル 3兆7037億円となった。
粗利益率37% 純利益率21.7% ある。
このアップルの純利益は、3兆7037億円の規模は、
日本の清涼飲料市場 3兆7000億円(2011年)売上
ソフトバンクの連結決算3兆3783億円(2012年)売上
と同等の純利益だ。
純利益率21.7%も異例の高さだ。
日本の業界の中でも、トップのパチンコ業界でも13.7%だ。
ハードウェアの製造販売業で、粗利が37%は非常に高利益の体質だ。
規模は全く違うが、別の業界と比較してみると…
飲食業界では異例の原価率65%の「俺のフレンチ」は粗利35%なのでアップルの粗利率と似ている(笑)
そして、今期のデータを分析してみよう。
Apple 2013年第4四半期(7~9月期)
売上 374億7200万ドル(104% )3兆7272億円
純利益 75億1200万ドル(91%) 7512億円
3期連続の減益
粗利益率は37%(前年同期比40%)
1株あたり利益は8.26ドル
そして、販売台数ベースでは…
iPhone 3379万7000台 126%
iPad 1407万9000台 0%
Mac 457万4000台 93%
iPod 349万8000台 65%
売上ベースでは…
iPhone 195億1000万ドル 117% 52%
iPad 61億8600万ドル 100.3% 16.5%
Mac 56億2400万ドル 93% 15%
iPod 5億7300万ドル 66% 1.5%
iTunes他 42億6000万ドル 122% 11.3%
software
services
Accessories 13億1900万ドル 3.5%
売上 374億7200万ドル 104% 100%
プロダクトでは、iPhone+iPadで売上の69% 約7割に達している。
かつは6割だが、もはやコンピュータメーカーの側面は希薄化している。
むしろ、注目すべきところは、売上に占めるiTunesストアやiBookStoreが11%あるところだ。
次のアップルにとっての、iTunesストア事業は、「花形事業」になる要素を持っている。
成長率も、前年同期比で122%とiPhoneの117%を抜いている。
スマートフォン市場はすでに飽和市場となりつつあり、年ごとのアップデート、この事業よりもコンテンツやアプリのプラットフォームビジネスが伸び率があるのは当然の流れだ。
このバランスをどう保つかがアップルの使命だろう。
国別シェアで見ると
アメリカ 139億4100万ドル 37.2%
ヨーロッパ 80億500万ドル 21.3%
中国 57億3300万ドル 15.2%
日本 33億4100万ドル 8.9%
アジア・パシフィック以外 19億8000万ドル 5.28%
小売 44億7200万ドル 11.9%
合計 374億7200万ドル 100%
世界の中でアメリカ以外のセールスが63%に至る。
ヨーロッパと中国だけで36% アメリカの37%に迫る。
日本は9%とパイは小さいながらも、成長率は前年同期比で141%で中国の106%を凌ぐ。
アップルは、もうアメリカの国内を向いたビジネスをしている場合でないことがよくわかる。
2014年の新年度にむけて、アップルはどんな経営判断をとるのだろうか?
この数字を見る限り、iPhone iPad Macのプラットフォームをより浸透させ、iTunesを伸ばす事、
アメリカ以外のマーケットを伸ばす事が課題のようだ。