「片付けて!」何度言っても片付けできない子を動きやすくする言葉がけ3選
幼児教育講師のTERUです。
日々の子育て本当にお疲れ様です!
今日は『子どもが動きやすい言葉がけの工夫3選』というテーマでお話しします。
先にぶっちゃけると、これを言葉がけだけで解決しようとするのはかなり厳しい考え方だと思っています。
もっと子どもが動けるような環境作りをしてみたり、練習をしてみたり、あるいは年齢によっては「本当にそこまで求める必要があるのか」「解決する必要があるのか」という大人側の要求水準なども考えていくことが大事です。
なので、言葉がけだけで子どもを動かそうというのではなく、選択肢の一つとしての「言葉がけ」というアプローチはどんなことができるのか?という目線で見たときのおすすめのポイントを厳選して3つ皆さんにお伝えさせていただきます。
1.具体性のある言葉を意識する
皆さんは日頃からお子さんに具体的な言葉がけを意識していますか?
例えば、お片付け。
「ほら!時間だからお片付けするよ!」こういった言葉はよく使うと思うのですが、子ども的にはちょっと具体性が薄くて動く動機づけになりづらいんです。
これを具体的にすると
「よし!お片付けしよう!今日は小さいおもちゃから片付けてみようか!」
という言葉が考えられます。
お片付けをするだけではなく「小さいものから片付ける」という具体的な行動が入ると、子どもはそこにゲーム性を感じます。このゲーム性がとても大事です。
もっとわかりやすく
「今日は小さいものから片付けるゲームをしようか!」
と言ってしまっても良いですね。
子どもが動くというのは=子どもの心が動くということです。
子どもの心が動くにはワクワクする感覚が大事ですから、片付けも遊びの感覚が入るように具体性を持たせてあげるのがおすすめです。
具体性を持たせるためには3つのポイント
それは『大きさ』『形』『色』です。
幼児期の子どもたちは知的発達の過程で、まずはこの『大きさ・形・色』の3つの概念から習得していくことが多いので、具体性を持たせるのに迷ったらこの3つの視点で言葉を考えてみてください。
『大きさ』であれば、「大きい」や「小さい」
『形』であれば、「三角形」や「四角形」
『色』であれば、「赤色」や「青色」
こういった言葉を使うと、子どもも理解しやすいのでゲーム性を感じて動き出してくれるかもしれません。
2.先に子どもの興味に入り込んでから伝える
やはり子どもにも子どものタイミングがあります。
どれだけ良い言葉がけでも、なにかに夢中になっているときに声をかけられるとなかなか受け入れられないものです。大人だってそうですよね。
ですから、なるべく子どものタイミングを待ってあげてほしいのですが正直そんな時間がないことも多いのが現実だと思います。
そんなときは、まず子どもが今興味を持っていることに大人が先に入り込んでからしてほしい行動を伝えるというのが効果的です。
「お片付けするよ!」といきなり声を掛けるのではなく、
「それ何?」
→
「〇〇だよ!」
→
「そうなんだ!〇〇なんだね。カッコいいね!」
→
「うん」
→
「もうすぐご飯なんだけど、お片付けできるかな?」
という感じです。
何かを伝えるならまずは聞くところから始めるのは、子どもだけではなく人と人とのコミュニケーションの基本だと思いますので、ぜひ意識していきたいですね。
3.子どもに主導権を持たせる
こういった子どもの行動を促す言葉がけをする際、主導権はどこにあるのか?ということを考えることもおすすめです。
言い換えると「子どもに主体性はあるのか?」ということです。
子どもに行動をしてほしいのであれば、いかに早く子どもに主導権を握らせるかが鍵となってきます。
そして子どもに主導権が移る一番シンプルな方法は『選ばせる』ことです。
例えば、
・「今日のお片付け、積み木とお人形どっちから片付ける?」
・「今日は青い靴下と赤い靴下どっちを履く?」
などの言葉がけをしてあげると良いですね。
他にも「何からやる?」「どれを使う?」といった言葉を使って、まずは子どもたちに選ばせてあげることで子どもに主導権が移ります。
そうやって主導権が移ると子どもにとっては自分ごとになるわけですから、スッと動きやすくなるわけです。
この選ばせるという行為は、子どもが動きやすくなるという効果ももちろんあると思うのですが、成長の面で子どもの意思力や考える力などの基盤を育ててあげられます。
短期的な目線で今動いてもらうために選ばせるというより、長期的な子どもの成長のために子どもに選ぶ経験をさせてあげるという意味でも使っていってほしいなと思います。
さいごに
気をつけてほしいのが、今回お話しした方法を試してみて『子どもが動いたかどうかに一喜一憂しすぎない』ということです。
そもそもですが、子どもが全部大人の思い通りに動くわけないですよね。
現代では指示待ち人間や主体性のない人間、やりたいことがない人間が増えてきていることが危惧されていますが、それを考えるとなんでもかんでも大人の思い通りにだけ動くのではなく、親の指示に従わず自分の興味のあることにまっしぐらに取り組んでいる姿は主体的な姿そのものです。最高ですよね!
でも現実は、スケジュールもあるしやらなくてはいけないこともある。
主体的に何かをするのも大事ですが、もちろん家族や社会と調和をとって一緒に行動するという経験もとても大切です。
だから全部子どもの自由にさせる必要なんてありません。
ですが、子どもに今やりたいことを我慢させたり、やらなくてはいけないことを優先させる場面では「子どもは大人の思い通りにはならなくて当然」という心構えは持っておきたいものです。
その上で、
「自分が言葉がけを工夫することで、子どもが快く動ける助けになるかもしれない!」
このような想いで言葉がけを工夫していけると良いですね。
いかがでしたでしょうか?
「お片付けするよ!」や「お着替えして!」といった言葉がけに対してお子さんが全然動いてくれなくて困っている親御さんにとって少しでも参考になれば嬉しいです。
皆さんの子育てを応援しています!